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Deep Purple(ディープ・パープル)のレコードガイド|おすすめ盤と選び方

Deep Purple(ディープ・パープル)は、Led ZeppelinやBlack Sabbathと並び、ハードロックの三大バンドとして語り継がれるイギリスのロックバンドです。リッチー・ブラックモアの切れ味鋭いギターリフ、ジョン・ロードの重厚なオルガンサウンド、そしてイアン・ギランの圧倒的なハイトーンボーカルが生み出す音楽は、1970年代のロックシーンに決定的な影響を与えました。アナログレコードでこそ堪能できる彼らのダイナミックなサウンドは、半世紀以上を経た現在も色褪せることなく、世界中のリスナーを魅了し続けています。ここでは、レコードコレクションの視点からDeep Purpleの魅力をたっぷりとご紹介します。

Deep Purpleとは?バンドの概要

ディープ・パープルは1968年にイギリス・ハートフォードで結成されました。バンドの歴史は、大きく分けて3つの黄金期(Mark I〜III)に区分されます。初期のMark Iは、ロッド・エヴァンス(ボーカル)とニック・シンパー(ベース)を擁し、サイケデリックロックやクラシック音楽の影響を色濃く反映した作品を発表しました。「Hush」のヒットで注目を集めたこの時期は、後のハードロック路線とはやや異なるアート志向の強いサウンドが特徴です。

1969年にイアン・ギラン(ボーカル)とロジャー・グローバー(ベース)が加入したMark IIこそが、バンドの黄金期として広く知られています。リッチー・ブラックモア(ギター)、ジョン・ロード(キーボード)、イアン・ペイス(ドラムス)と合わせた5人の編成は、ロック史上最強のラインナップのひとつに数えられます。「Smoke on the Water」「Highway Star」「Burn」など、誰もが知る名曲の数々はこの時期に生まれました。

1973年にはギランとグローバーが脱退し、デイヴィッド・カヴァデール(ボーカル)とグレン・ヒューズ(ベース・ボーカル)が加入したMark IIIへと移行します。ファンク、ソウルの要素を取り入れたより幅広い音楽性が特徴で、Mark IIとは異なる魅力を持つ名盤を残しました。1976年に一度解散した後、1984年にMark IIのメンバーで再結成を果たし、以降もメンバー変遷を経ながら現在に至るまで活動を継続しています。

ディープ・パープルの音楽的特徴は、クラシック音楽の素養を持つジョン・ロードのオルガンと、ブルースに根差したリッチー・ブラックモアのギターが織りなす、スリリングなインタープレイにあります。即興性を重視したライブパフォーマンスにも定評があり、スタジオ盤とライブ盤の両方がコレクターに高く評価されています。

おすすめアルバム5選

1. Machine Head(1972年)

ディープ・パープル最大の名盤であり、ハードロック史における最重要作品のひとつです。ローリング・ストーンズのモバイルスタジオを使用し、スイス・モントルーのグランド・ホテルで録音されたこのアルバムには、「Smoke on the Water」「Highway Star」「Lazy」「Space Truckin'」など、ライブの定番曲が多数収録されています。特に「Smoke on the Water」の4音のギターリフは、ロック史上最も有名なリフのひとつとして知られています。アナログレコードで聴くと、各楽器の分離感と音圧のバランスが見事で、バンドのスタジオワークの完成度の高さを実感できます。レコードコレクションの最初の1枚として自信を持っておすすめできる作品です。

2. In Rock(1970年)

Mark IIの真のデビュー作であり、ハードロックというジャンルを確立した記念碑的アルバムです。「Speed King」「Child in Time」「Black Night」など、圧倒的なエネルギーに満ちた楽曲群は、当時の音楽シーンに大きな衝撃を与えました。特に「Child in Time」における、静寂からの爆発的な盛り上がりと、イアン・ギランのシャウトは鳥肌ものです。アナログレコードならではのダイナミックレンジの広さが、この曲の魅力を最大限に引き出します。ラシュモア山をモチーフにしたジャケットデザインもLPサイズで見応えがあり、コレクションとしても価値の高い1枚です。

3. Burn(1974年)

Mark III体制でのファーストアルバムです。デイヴィッド・カヴァデールの力強いボーカルとグレン・ヒューズのソウルフルな歌声のツインボーカル体制が新たな魅力を生み出しました。タイトル曲「Burn」のクラシカルなオルガンイントロからハードなギターリフへと展開する構成は、ディープ・パープルならではの様式美です。「Mistreated」はブルージーなバラードの名曲で、カヴァデールのボーカルの表現力が遺憾なく発揮されています。アナログレコードで聴くと、ジョン・ロードのハモンドオルガンの倍音の豊かさが際立ち、デジタル音源では感じ取りにくい質感を楽しめます。

4. Made in Japan(1972年)

1972年の日本公演を収録したライブアルバムで、ロック史上最高のライブ盤のひとつとして世界的に評価されています。東京と大阪でのパフォーマンスが収められており、Mark IIのメンバーによるスリリングな即興演奏が圧巻です。スタジオ盤では味わえない、長尺のソロやメンバー間の緊張感あふれるインタープレイが、ライブならではの臨場感とともに記録されています。特に「Highway Star」のリッチー・ブラックモアによるギターソロ、「Child in Time」のイアン・ギランの絶叫は、レコードに針を落とすたびに鮮烈な感動を与えてくれます。2枚組のLPで聴く体験は格別です。

5. Fireball(1971年)

『In Rock』と『Machine Head』の間にリリースされたアルバムですが、実験精神にあふれた隠れた名盤です。タイトル曲「Fireball」の疾走感、「Strange Kind of Woman」のブルージーなグルーヴ、「The Mule」のイアン・ペイスによる圧巻のドラムソロなど、聴きどころが満載です。『Machine Head』のような圧倒的な完成度とは異なり、バンドが新しいサウンドを模索する過程のエネルギーが詰まっており、コアなファンからの評価が非常に高い作品です。オリジナル盤は比較的入手しやすい価格帯にあるため、コレクションを広げたい方にもおすすめです。

オリジナル盤の見分け方

ディープ・パープルのオリジナル盤を見分けるためには、レーベルの特徴やプレス情報を正しく理解することが重要です。特にUKオリジナル盤は、音質面でコレクターから高い評価を得ています。

レーベルの違い: ディープ・パープルの作品は、時期によって異なるレーベルから発売されています。初期の3作品(Mark I時代)はParloPhone / Harvest Recordsから、Mark II以降の代表作はHarvest Records(UK)およびWarner Bros.(US)からリリースされました。UKオリジナル盤のHarvestレーベルは、黄色と緑のカラーリングが特徴的で、EMIのロゴが記載されています。特に初期プレスは、ラベルの文字配置や表記が後のプレスと微妙に異なるため、詳細な比較が必要です。

マトリクス番号の確認: レコード盤面の内周部分に刻印されているマトリクス番号は、プレス時期を特定するための最も信頼性の高い手がかりです。UK盤の場合、EMIプレスに特有の刻印パターンがあり、マトリクスの末尾に「-1」や「-1G」などの表記があれば初回プレスである可能性が高いです。『Machine Head』のUKオリジナル盤は「TPSA 7504」というカタログ番号で、Purple Recordsレーベルから発売されました。

Purple Recordsについて: 1971年以降、バンドは自身のレーベル「Purple Records」を設立し、『Fireball』以降の作品はこのレーベルからリリースされました。Purple Recordsのオリジナル盤は、紫色のラベルにバンドロゴが配されたデザインが特徴です。このレーベルからの初回プレスは、コレクター市場で特に高い価値を持っています。

ジャケットの確認ポイント: オリジナル盤のジャケットは、紙質が厚くしっかりとした作りになっていることが多いです。『In Rock』のゲートフォールドジャケットや、『Machine Head』のポスター付き初回盤など、付属品の有無もオリジナル盤を判別する重要な要素です。再発盤では省略されていることが多いため、購入前に確認しておくことをおすすめします。

中古レコードの選び方と注意点

ディープ・パープルのレコードは世界中で大量にプレスされたため、中古市場でも比較的見つけやすいアーティストです。しかし、それだけに品質のばらつきも大きく、購入時にはいくつかの注意点があります。

盤質の重要性: ディープ・パープルの楽曲は、ダイナミックレンジが広くハードな演奏が特徴であるため、盤面の状態が音質に大きく影響します。特にスクラッチ(傷)やノイズは、静かなパートから激しいパートへの展開時に顕著に感じられます。中古ショップで購入する際は、できるだけ試聴して盤面の状態を確認しましょう。盤質のグレーディング(VG+、EX、NMなど)を理解しておくと、オンライン購入時にも安心です。

プレス国と音質の違い: 同じアルバムでも、UK盤、US盤、日本盤ではマスタリングやプレスの品質が異なります。一般的にUKオリジナル盤が最も高く評価されていますが、日本盤(東芝EMIやワーナー・パイオニア発売)も丁寧なプレスと帯付きの魅力から、国内外のコレクターに人気があります。特に日本初回盤の「帯付き」は、海外のコレクターから非常に高い需要があり、状態の良いものは高値で取引されています。

リイシュー盤の選択肢: オリジナル盤の入手が難しい場合や、まずは音楽を楽しみたいという方には、近年のリイシュー盤も良い選択肢です。特に180g重量盤でのリイシューは、オリジナルマスターテープからのリマスタリングが施されており、音質面で高い評価を受けています。コレクションの入門として、リイシュー盤から始めて徐々にオリジナル盤を探すというアプローチもおすすめです。

価格相場の把握: ディープ・パープルのレコードは、タイトルや状態によって価格が大きく異なります。Discogsなどのデータベースで事前に相場を調べておくことで、適正価格での購入が可能になります。『Machine Head』や『In Rock』のUKオリジナル盤は比較的高額ですが、『Fireball』や『Who Do We Think We Are』などは手頃な価格で見つかることもあります。

ブートレグへの注意: ディープ・パープルはライブパフォーマンスに定評があるバンドのため、非公式のライブ録音(ブートレグ)も多数出回っています。コレクターズアイテムとしての価値がある場合もありますが、音質にばらつきが大きく、合法性にも問題がある場合があるため、購入は慎重に判断しましょう。

まとめ

ディープ・パープルは、ハードロックの原点を築いた偉大なバンドであり、その音楽はアナログレコードでこそ真価を発揮します。リッチー・ブラックモアのギターリフ、ジョン・ロードのオルガン、イアン・ギランのボーカル、ロジャー・グローバーのベース、イアン・ペイスのドラムス――5人の卓越したミュージシャンが生み出すサウンドは、レコードの溝に刻まれた音の振動を通じて、半世紀以上の時を超えて今もなお鮮烈に響きます。

『Machine Head』『In Rock』『Burn』などの名盤は、ハードロックの歴史を語るうえで欠かすことのできない作品です。UKオリジナル盤やPurple Recordsからの初回プレスは、音質・コレクション価値の両面で高く評価されており、マトリクス番号やラベルの特徴を押さえることで見分けることができます。中古市場では比較的入手しやすいアーティストですので、盤質や価格相場を確認しながら、ぜひお気に入りの1枚を探してみてください。

レコードに針を落とし、「Smoke on the Water」のあのリフが部屋に響き渡る瞬間、アナログレコードでロックを聴く喜びを存分に感じていただけるはずです。


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