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Eagles(イーグルス)のレコードガイド|おすすめ盤と選び方

Eagles(イーグルス)は、1970年代のアメリカン・ロックを代表するバンドであり、カントリーロックとウエストコースト・サウンドを融合させた独自の音楽性で世界中のファンを魅了し続けています。グレン・フライ、ドン・ヘンリー、バーニー・レドン、ランディ・マイズナーという4人のオリジナルメンバーから始まったバンドは、メンバーチェンジを経ながらも数々の名盤を世に送り出しました。とりわけ『Hotel California』は、ロック史に燦然と輝く不朽の名作として知られています。アナログレコードで聴くイーグルスは、カリフォルニアの乾いた空気感や、緻密に練り上げられたハーモニーの美しさをデジタルでは得られない深みで体験させてくれます。

Eaglesとは?バンドの概要

Eagles(イーグルス)は1971年、カリフォルニア州ロサンゼルスで結成されたロックバンドです。もともとリンダ・ロンシュタットのバックバンドとして活動していたグレン・フライ(ギター・ボーカル)、ドン・ヘンリー(ドラムス・ボーカル)、バーニー・レドン(ギター・バンジョー・ボーカル)、ランディ・マイズナー(ベース・ボーカル)の4人が独立する形で結成されました。

初期のイーグルスは、カントリーロックを基盤とした牧歌的なサウンドが特徴でした。デビューアルバム『Eagles』(1972年)から「Take It Easy」「Peaceful Easy Feeling」といったシングルがヒットし、一躍ウエストコースト・ロックの旗手として注目を集めます。

1974年にギタリストのドン・フェルダーが加入し、さらに1975年にはバーニー・レドンに代わってジョー・ウォルシュが参加。この布陣によってバンドのサウンドはよりロック色を強め、ハードなギターサウンドとソフトなハーモニーの絶妙なバランスが確立されました。同時期にランディ・マイズナーが脱退し、ティモシー・B・シュミットが後任として加わっています。

1976年発表の『Hotel California』は世界的な大ヒットを記録し、全米だけで2,600万枚以上のセールスを達成。グラミー賞のレコード・オブ・ザ・イヤーを受賞するなど、バンドの商業的・芸術的頂点を極めた作品となりました。しかし、メンバー間の確執が深まり、1980年に解散を発表します。

1994年に再結成を果たし、ライブアルバム『Hell Freezes Over』をリリース。以降も断続的に活動を続け、2007年には28年ぶりのスタジオアルバム『Long Road Out of Eden』を発表しました。2016年にグレン・フライが他界した後も、彼の息子であるディーコン・フライとカントリー歌手のヴィンス・ギルを迎え、ライブ活動を継続しています。

イーグルスの音楽的特徴は、メンバー全員がリードボーカルを取れる豊かなハーモニー、カントリーとロックの自然な融合、そして歌詞に描かれるアメリカ西海岸の光と影にあります。その完成度の高いサウンドは、アナログレコードで聴くことで一層の輝きを放ちます。

おすすめアルバム5選

1. Hotel California(1976年)

レーベル:Asylum Records

イーグルス最大のヒット作にして、アメリカン・ロック史上屈指の名盤です。タイトル曲「Hotel California」は、ドン・フェルダーとジョー・ウォルシュによる伝説的なツインギター・ソロが圧巻で、アメリカの夢と幻滅を象徴する歌詞も深く印象に残ります。「New Kid in Town」「Life in the Fast Lane」「Victim of Love」など、捨て曲のない完璧なアルバム構成が特徴です。

アナログレコードで聴くと、冒頭の12弦ギターのアルペジオが空間いっぱいに広がり、続くバンドサウンドの迫力と繊細さの対比が鮮やかに浮かび上がります。特にA面からB面への流れは、レコードならではの体験です。

中古相場目安

  • US Asylum オリジナル盤:5,000〜15,000円
  • 日本盤(帯付き):3,000〜8,000円

2. Desperado(1973年)

レーベル:Asylum Records

2ndアルバムは、西部開拓時代のアウトローをテーマにしたコンセプトアルバムです。タイトル曲「Desperado」は、ドン・ヘンリーの感情豊かなボーカルとピアノの美しいバラードで、バンドの代表曲の一つとして広く愛されています。「Tequila Sunrise」「Outlaw Man」など、カントリーロックの魅力が存分に詰まった作品です。

商業的には前作ほどのヒットには至りませんでしたが、バンドの音楽的深みと野心を示す重要作として再評価が進んでいます。アナログレコードで聴くと、アコースティック楽器の繊細な響きとコーラスワークの美しさが際立ち、まるで西部劇の世界に引き込まれるような臨場感を味わえます。

中古相場目安

  • US Asylum オリジナル盤:3,000〜8,000円
  • 日本盤(帯付き):2,500〜6,000円

3. Their Greatest Hits (1971-1975)(1976年)

レーベル:Asylum Records

『Hotel California』と同じ1976年にリリースされたベスト盤で、全米で3,800万枚以上を売り上げ、長らく「アメリカで最も売れたアルバム」の記録を保持していました。「Take It Easy」「Witchy Woman」「Desperado」「Best of My Love」「One of These Nights」など、初期の名曲が網羅されており、入門盤として最適な1枚です。

ベスト盤でありながらオリジナルマスターからのカッティングが施されており、各楽曲の音質は非常に良好です。イーグルスのレコードコレクションをこれから始める方には、まずこの1枚をおすすめします。

中古相場目安

  • US Asylum オリジナル盤:2,000〜5,000円
  • 日本盤(帯付き):2,000〜5,000円

4. One of These Nights(1975年)

レーベル:Asylum Records

4thアルバムは、カントリーロックからよりポップでロック寄りのサウンドへと進化した転換点となる作品です。タイトル曲「One of These Nights」はファンキーなベースラインとシャープなギターが印象的で、全米1位を獲得しました。「Lyin' Eyes」はカントリー調の哀愁漂うバラードで、グラミー賞最優秀ポップ・ボーカル・パフォーマンス賞を受賞しています。「Take It to the Limit」ではランディ・マイズナーの伸びやかなハイトーンボーカルが光ります。

レコードで聴くと、バーニー・レドンのバンジョーやマンドリンとドン・フェルダーのエレキギターが織りなすサウンドの豊かさを堪能できます。カントリーからロックへの過渡期ならではの、絶妙なバランス感覚が魅力的な1枚です。

中古相場目安

  • US Asylum オリジナル盤:3,000〜7,000円
  • 日本盤(帯付き):2,500〜6,000円

5. Eagles(1972年)

レーベル:Asylum Records

記念すべきデビューアルバムは、グリン・ジョンズがプロデュースを手がけ、ロンドンのオリンピック・スタジオで録音されました。「Take It Easy」はジャクソン・ブラウンとグレン・フライの共作で、軽快なカントリーロックの名曲として今なお人気が高い楽曲です。「Witchy Woman」「Peaceful Easy Feeling」も収録されており、初期イーグルスの牧歌的で爽やかなサウンドを味わえます。

アナログレコードで聴くと、グリン・ジョンズの自然体なプロデュースが生み出すライブ感あふれるサウンドが心地よく響きます。4人のハーモニーが絡み合う美しさは、アナログの温かみのある音質でこそ本領を発揮します。カリフォルニアの陽光を思わせる開放的なサウンドを楽しめる1枚です。

中古相場目安

  • US Asylum オリジナル盤:3,000〜8,000円
  • 日本盤(帯付き):2,500〜6,000円

オリジナル盤の見分け方

イーグルスのレコードコレクションにおいて、オリジナル盤の見極めは重要なポイントです。特にUS Asylum Recordsのオリジナル盤は、音質面でもコレクション価値の面でも高く評価されています。以下の項目をチェックしましょう。

レーベルデザイン

イーグルスの作品は主にAsylum Recordsからリリースされています。オリジナル盤のレーベルは時期によってデザインが異なります。

  • 初期(1972〜1973年頃):白地に「門」のイラストが描かれたデザイン(通称「白門レーベル」)。『Eagles』『Desperado』の初期プレスがこれに該当します。
  • 中期(1974〜1977年頃):クリーム色の地に「雲」のデザイン(通称「雲レーベル」)。『On the Border』以降の作品はこのデザインが初期プレスとなります。
  • 後期再発:レーベルデザインが変更され、Elektra/Asylumの統合ロゴが入るものは再発盤です。

マトリクス番号

レコード盤のデッドワックス(ラベルとレコード溝の間の平らな部分)に刻まれたマトリクス番号は、プレスの時期や工場を特定する手がかりになります。

  • US盤の場合、マトリクス番号の末尾に「SP」(Specialty Records Corporation)や「PR」(Presswell)などの刻印があり、プレス工場を特定できます。
  • 手彫りの文字や数字がある場合は、初期プレスである可能性が高いです。
  • 「RE」や「Re」の表記がある場合は再発盤を示しています。

ジャケットの確認

  • 印刷品質:オリジナル盤のジャケットは、色彩が鮮やかで印刷精度が高いのが特徴です。特に『Hotel California』のゲートフォールド(見開き)ジャケットは、内側の写真の鮮明さで初期プレスかどうかを判断できます。
  • バーコードの有無:バーコードがジャケットに印刷されていないものは、1970年代のオリジナル盤である可能性が高いです。バーコード付きは1980年代以降の再発盤です。
  • インナースリーブ:Asylum Recordsのカタログが印刷された専用インナースリーブが付属しているかどうかも確認ポイントです。

カタログ番号

US盤のカタログ番号は、Asylum Recordsの場合「7E-○○○○」や「SD ○○○○」の形式です。たとえば『Hotel California』は「7E-1084」が初期プレスのカタログ番号です。番号体系が異なる場合は、別の国やレーベルからの再発盤の可能性があります。用語集でカタログ番号の読み方についても確認しておくとよいでしょう。

中古レコードの選び方と注意点

イーグルスのレコードは世界的に人気が高く、中古市場でも多くの盤が流通しています。満足のいく1枚を手に入れるために、以下のポイントを押さえておきましょう。

盤質の確認

中古レコードを購入する際に最も重要なのは盤面のコンディションです。イーグルスの楽曲はアコースティック楽器の繊細な響きや静かなバラードが多いため、わずかなスクラッチやノイズも目立ちやすくなります。

  • 目視チェック:盤面を光にかざし、傷やスレがないか確認しましょう。深い傷は音飛びの原因になります。
  • 試聴:可能であれば購入前に試聴することを強くおすすめします。特に「Desperado」や「Hotel California」のような静かな曲の冒頭部分でノイズの有無を確認できます。
  • グレーディング:中古レコード店やオンラインショップでは、盤質がMint(新品同様)からPoor(再生困難)までグレード分けされています。NM(Near Mint)やVG+(Very Good Plus)以上の盤を選ぶのが安心です。

オリジナル盤と再発盤の選択

イーグルスの場合、オリジナル盤にこだわらずとも、良質な再発盤で十分に楽しめる場合があります。

  • オリジナル盤:1970年代のAsylum Recordsプレスは音質が優れており、コレクション価値も高いです。ただし状態の良いものは価格が上がる傾向にあります。
  • リマスター盤:2000年代以降にリリースされた180g重量盤リマスターは、音質面で非常に優秀です。新品に近い状態で入手しやすく、初めてのコレクションにもおすすめです。
  • 日本盤:東芝EMIやワーナー・パイオニアからリリースされた日本盤は、プレス品質が高く、帯や日本語ライナーノーツが付属する独自の魅力があります。帯付き完品はコレクターの間で根強い人気があります。

価格の相場を把握する

購入前にDiscogsなどのデータベースで相場を確認しておくことが大切です。イーグルスのアルバムは流通量が多いため、焦って高値で購入する必要はありません。特に『Their Greatest Hits』や『Hotel California』は大量にプレスされたため、状態の良い盤を比較的手頃な価格で見つけることができます。

ジャケットの状態にも注目

レコードの価値は盤面だけでなくジャケットの状態にも左右されます。

  • リングウェア:レコード盤の形状がジャケット表面に丸く跡として出る現象です。保管状態の悪さを示すことがあります。
  • シームスプリット:ジャケットの辺が裂けている状態です。軽度であれば許容範囲ですが、大きく裂けている場合は価値が下がります。
  • 水濡れ跡やカビ:ジャケットにシミやカビが見られる場合は、盤面にもカビが付着している可能性があるため注意が必要です。

購入先の選び方

信頼できる中古レコード店やオンラインショップを選ぶことが重要です。実店舗であれば試聴や状態確認ができるメリットがあります。オンライン購入の場合は、出品者の評価やレビューを確認し、商品写真と説明が詳細なものを選びましょう。

まとめ

Eagles(イーグルス)は、カントリーロックとウエストコースト・サウンドを融合させた唯一無二の音楽で、1970年代のアメリカンロックを象徴する存在です。『Hotel California』を頂点とする彼らの作品群は、アナログレコードで聴くことで、カリフォルニアの空気感や緻密なハーモニーの美しさを一層深く味わうことができます。

Asylum Recordsからリリースされたオリジナル盤は、レーベルデザイン、マトリクス番号、ジャケットの特徴を確認することで見分けられます。中古レコードの購入に際しては、盤質やジャケットの状態を丁寧にチェックし、相場を把握した上で信頼できるショップを利用することが大切です。

イーグルスのレコードは流通量が比較的多いため、初心者の方でも状態の良い盤を手頃な価格で入手しやすいのも嬉しいポイントです。まずは『Hotel California』や『Their Greatest Hits (1971-1975)』から始めて、カントリーロック色の強い初期作品へと遡っていくのもおすすめの楽しみ方です。レコードに針を落とした瞬間、1970年代のカリフォルニアの風を感じる至福のひとときをぜひ体験してみてください。


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