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Muse(ミューズ)のレコードガイド|おすすめ盤と選び方

Muse(ミューズ)は、クラシック音楽の壮大さとヘヴィロックの攻撃性、そしてエレクトロニクスの未来感を融合させた唯一無二のサウンドで世界を席巻するイギリスのロックバンドです。マシュー・ベラミーの超絶技巧のギターと圧倒的なファルセットを軸に、スケール感あふれる楽曲をアナログレコードで体験すると、デジタル音源では味わえない迫力と奥行きを感じ取ることができます。本記事では、Museのレコードの選び方からおすすめアルバム、オリジナル盤の見分け方まで詳しく解説します。

バンドの概要

Museは1994年にイングランド南西部デヴォン州テインマスで結成されました。メンバーはデビュー以来一貫して3人編成です。

  • マシュー・ベラミー(ボーカル、ギター、ピアノ) — 広い声域のファルセットと超絶技巧のギタープレイ、壮大な楽曲を生み出すソングライター
  • クリス・ウォルステンホルム(ベース、コーラス) — ファズベースによる地鳴りのような重低音でバンドの土台を支える
  • ドミニク・ハワード(ドラムス) — 手数の多いパワフルかつタイトなドラミングで楽曲にダイナミズムを与える

1999年にデビューアルバム『Showbiz』をリリースし、Radioheadの影響を感じさせるオルタナティブロックで注目を集めました。しかし、2ndアルバム『Origin of Symmetry』以降は独自の方向へと大きく舵を切り、クラシック、プログレッシブロック、エレクトロニカ、さらにはシンフォニックメタルの要素まで取り込み、スケールを拡大し続けています。

ライブパフォーマンスにも定評があり、大規模なステージ演出と圧倒的な演奏力で、ウェンブリー・スタジアムを何度も満員にするなど世界屈指のライブバンドとしても知られています。2023年の『Will of the People』ツアーまで、精力的に活動を続けています。

おすすめアルバム5選

1. Origin of Symmetry(2001年)

Museの出世作にして、バンドのアイデンティティを確立した2ndアルバムです。「Plug In Baby」「New Born」「Bliss」「Citizen Erased」など、名曲が目白押し。ピアノ、オルガン、ファズベースが渾然一体となったサウンドは、アナログレコードの太い音像で聴くとその圧倒的なスケールをより一層体感できます。当時はアメリカでの正式リリースが見送られたこともあり、UKオリジナル盤は希少性が高まっています。

  • おすすめポイント: Museサウンドの原点、ファズベースの地鳴りがレコードで圧巻の迫力
  • 中古相場目安: UKオリジナル盤(Mushroom Records) 20,000〜50,000円、2015年リマスター再発盤 4,000〜8,000円

2. Absolution(2003年)

壮大さと叙情性が高い次元で融合した3rdアルバム。「Time Is Running Out」「Hysteria」「Stockholm Syndrome」「Butterflies & Hurricanes」といった人気曲が揃い、Museの代表作として多くのファンに支持されています。特に「Hysteria」のベースラインはレコードの重厚な低域再生で聴くと、胸に迫るような振動が伝わってきます。アルバム全体を通しての起承転結の構成も見事で、A面からB面への流れをレコードで通して聴く体験は格別です。

  • おすすめポイント: アルバム構成の完成度が高く、通して聴くレコードとの相性が抜群
  • 中古相場目安: UKオリジナル盤(East West Records) 15,000〜35,000円、再発盤 3,000〜7,000円

3. Black Holes and Revelations(2006年)

エレクトロニクスを大胆に導入し、よりポップでスタジアムロック的なサウンドへと進化した4thアルバム。「Supermassive Black Hole」「Starlight」「Knights of Cydonia」「Map of the Problematique」など、ライブの定番曲が多数収録されています。シンセサイザーとギターの絡みがアナログの温かい質感で再現されることで、デジタルでは冷たく聴こえがちなエレクトロ要素に有機的な温もりが加わります。

  • おすすめポイント: エレクトロとロックの融合がレコードの温かみで一層引き立つ
  • 中古相場目安: UKオリジナル盤(Helium 3 / Warner) 10,000〜25,000円、再発盤 3,000〜6,000円

4. The Resistance(2009年)

クラシック音楽への傾倒が最も顕著に表れた5thアルバムです。「Uprising」「Resistance」「Undisclosed Desires」などのキャッチーな楽曲に加え、アルバム終盤にはエクソジェネシス交響曲3部作というオーケストラとの壮大な組曲が収められています。この交響曲パートは、レコードの柔らかく繊細な音でオーケストラの響きを味わうのに最適です。2枚組LPの仕様で、各面の曲配分もよく考えられています。

  • おすすめポイント: オーケストラサウンドとレコードの相性が素晴らしく、エクソジェネシス組曲は必聴
  • 中古相場目安: UKオリジナル盤 8,000〜18,000円、再発盤 3,000〜6,000円

5. Showbiz(1999年)

デビューアルバムながら、マシュー・ベラミーの才能が随所に光る原点的作品。「Sunburn」「Muscle Museum」「Unintended」など、後のスケール感はまだ控えめですが、メロディの美しさと感情の激しい振れ幅はすでに顕在しています。Radioheadの影響が色濃く聴こえる時期の作品ですが、そこからMuseが独自の道を切り開いていく出発点として聴くと感慨深いものがあります。初期盤のプレス数が少なく、UKオリジナル盤はかなりの希少品です。

  • おすすめポイント: Museの原点を知る一枚、初期盤はコレクター垂涎の希少品
  • 中古相場目安: UKオリジナル盤(Mushroom Records) 25,000〜60,000円、再発盤 4,000〜8,000円

オリジナル盤の見分け方

Museのレコードを集めるうえで、UKオリジナル盤を見極めることは重要です。特に初期作品はCD全盛期にリリースされたためレコードのプレス枚数が限られており、真正のオリジナル盤は高い価値を持っています。

まず確認すべきはレーベル面のカタログナンバーです。初期2作品はMushroom Recordsからのリリースで、『Showbiz』は「MUSH59LP」、『Origin of Symmetry』は「MUSH93LP」というカタログナンバーが記載されています。3rd以降はEast West Records、そしてHelium 3レーベルへと移行しています。

次にマトリクス番号(デッドワックスに刻まれた番号)を確認しましょう。初回プレス盤にはプレス工場固有の刻印やエンジニアのサインが入っていることがあり、これらは後年の再発盤にはない特徴です。

ジャケットの紙質にも違いがあります。オリジナル盤は厚手のしっかりした紙が使われ、印刷の色味も鮮明です。再発盤では薄手の紙や光沢の異なるコーティングが使われるケースが多いため、比較すると判別できます。

また、2015年以降にWarner Bros.からリリースされたリマスター再発盤は、180g重量盤でプレスされており、これらはカタログナンバーやレーベルデザインがオリジナルとは明確に異なります。音質面では再発盤も非常に優れているので、コレクション目的でなければ再発盤で十分に楽しめます。

中古レコードの選び方と注意点

Museのレコードは近年の再評価と相まって中古市場での人気が高まっています。購入時にはいくつかのポイントを押さえておくと安心です。

盤面のコンディションを最優先に確認する — Museの楽曲はダイナミクスの幅が非常に広いため、盤面にキズやホコリがあるとノイズが目立ちやすい傾向があります。特に静かなパートから一気に爆音になる楽曲(「Citizen Erased」「Stockholm Syndrome」など)では、グレーディングがVG+以上のものを選びましょう。

再発盤から始めるのがおすすめ — 初期作品のUKオリジナル盤は高価かつ入手困難です。2015年以降のリマスター再発盤は180g重量盤で音質も良好なため、まず聴くことを目的とするなら再発盤が最適です。音楽をしっかり楽しんだうえで、気に入った作品のオリジナル盤を探すという段階的なアプローチが無理なく続けられます。

2枚組LPに注意する — 『The Resistance』以降のアルバムは2枚組LP仕様が多いです。中古で購入する際は、ディスクが2枚とも揃っているか、各ディスクの状態が均一かを必ず確認してください。

ジャケットの状態も重要 — Museのアルバムはアートワークにもこだわりがあり、特に『Absolution』の象徴的なカバーアートや『Black Holes and Revelations』の火星を模したデザインは12インチサイズで鑑賞する価値があります。角の潰れやリングウェア(レコード盤の跡がジャケットに付く現象)の有無を確認しましょう。

価格の極端な安さに注意 — オリジナル盤として出品されているにもかかわらず、相場よりも大幅に安い場合は、再発盤の誤表記やブートレグ(海賊盤)の可能性があります。信頼できるレコードショップやDiscogsなどの専門プラットフォームでの購入をおすすめします。

まとめ

  • Muse(ミューズ)はクラシック、エレクトロニクス、ヘヴィロックを融合させた壮大なサウンドが魅力のUKロックバンド。最初の1枚には『Absolution』がおすすめ
  • 初期作品(『Showbiz』『Origin of Symmetry』)のUKオリジナル盤はプレス数が少なく希少性が高い
  • 2015年以降のリマスター再発盤は180g重量盤で音質が優秀なため、入門用に最適
  • ダイナミクスの幅が広い楽曲が多いため、盤面の状態が良いものを選ぶことが音質に直結する
  • レコードで聴くことで、ファズベースの重低音やオーケストラの繊細な響きがより豊かに体感できる

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