Ride(ライド)| 疾走感溢れるシューゲイザーの名盤を解説¶
イギリスのシューゲイザーシーンを代表するバンドの一つ、Ride(ライド)。轟音ギターと美しいメロディが融合した独自のサウンドは、1990年代初頭のオルタナティブロックシーンに大きな影響を与えました。本記事では、Rideの魅力からレコード収集のポイントまで、詳しく解説していきます。
アーティストの概要¶
Rideは1988年にオックスフォードで結成されたイギリスの4人組ロックバンドです。Mark Gardener(マーク・ガーデナー)、Andy Bell(アンディ・ベル)の2人のギタリスト兼ボーカリストを中心に、Steve Queralt(スティーヴ・クエラルト)、Loz Colbert(ロズ・コルバート)で構成されています。
1990年にCreation Recordsからデビューし、瞬く間にシューゲイザーシーンの中心的存在となりました。My Bloody Valentineのような轟音ギターと、より明確なポップセンスを融合させたサウンドが特徴です。
特筆すべきは、同時代のシューゲイザーバンドと比較して、よりメロディアスで疾走感のある楽曲が多いという点です。轟音の中にも美しいハーモニーとキャッチーなメロディラインが存在し、ノイズとポップスの完璧なバランスを実現しています。
1996年に一度解散したものの、2014年に再結成を果たし、現在も精力的に活動を続けています。再結成後もオリジナルメンバーで新作をリリースするなど、シューゲイザーリバイバルの波に乗って再び注目を集めています。
おすすめアルバム5選¶
1. Nowhere (1990)¶
Rideのデビューアルバムにして、シューゲイザー史に残る傑作です。「Seagull」「Vapour Trail」など、バンドの代表曲が収録されており、轟音ギターと美しいメロディの完璧な融合を体験できます。Creation Records UKオリジナル盤は、力強いベースラインと繊細な高音域のバランスが素晴らしく、レコードで聴く価値が非常に高い作品です。
シューゲイザーファンなら必ず押さえておきたい一枚で、全編を通して浮遊感と疾走感が同居する独特の世界観が展開されます。
2. Going Blank Again (1992)¶
セカンドアルバムは、デビュー作よりもさらにポップでメロディアスな方向性を打ち出した作品です。「Leave Them All Behind」のオープニングからリスナーを圧倒する疾走感は、Rideの真骨頂と言えるでしょう。
「Twisterella」「Cool Your Boots」など、キャッチーでありながら轟音ギターを失わない楽曲群は、シューゲイザーとブリットポップの橋渡しをするような存在です。商業的にも成功を収め、UKチャートで5位を記録しました。
3. Carnival of Light (1994)¶
3rdアルバムは、サイケデリックな要素を強めた意欲作です。「How Does It Feel to Feel?」のカバーをはじめ、60年代サイケロックへの傾倒が顕著に表れています。
前2作と比較すると賛否が分かれる作品ですが、バンドの音楽的な幅の広さを示す重要なアルバムです。よりエクスペリメンタルなアプローチを好むリスナーには特におすすめできます。
4. Weather Diaries (2017)¶
再結成後初のスタジオアルバムです。21年のブランクを感じさせない、初期の疾走感と轟音を取り戻した傑作となっています。「Charm Assault」「Lannoy Point」など、現代的なプロダクションで蘇ったRideサウンドを堪能できます。
オリジナルメンバーによる新作として、往年のファンにも新規リスナーにもおすすめできる一枚です。
5. Tarantula (1996)¶
解散前最後のアルバムで、よりダークでエクスペリメンタルな作風に挑戦した問題作です。当時は商業的に失敗しましたが、現在では再評価が進んでおり、バンドの多様性を示す作品として見直されています。
オリジナル盤の見分け方¶
Rideのレコードを収集する際、特に重要なのがCreation Records UKオリジナル盤の見分け方です。初期3枚のアルバムはすべてCreation Recordsからリリースされており、UK盤が最も音質的に優れているとされています。
カタログナンバーを確認することが最も確実な方法です。「Nowhere」はCRE LP 076、「Going Blank Again」はCRE LP 129として識別できます。ラベルにはCreation Recordsのロゴと「Made in UK」の表記があることを確認しましょう。
また、初回プレス盤にはインナースリーブが付属していることが多く、歌詞やクレジットが記載されています。マトリックスナンバーも重要な判別ポイントで、UK盤には「Strawberry」や「EMI」といったプレス工場の刻印が入っていることがあります。
リイシュー盤も多数存在しますが、オリジナル盤は用語集で解説している「ファーストプレス」として、音質的にも資産価値的にも優位性があります。特に90年代初頭のCreation Recordsの盤は、プレス品質が高いことで知られています。
買うときの注意点¶
Rideのレコードを購入する際、いくつか注意すべきポイントがあります。
まず、盤質の確認は必須です。シューゲイザーサウンドは繊細な高音域とダイナミックなベースラインが特徴なので、スクラッチやノイズがあると作品の魅力が大きく損なわれます。購入前には必ず盤面の状態をチェックし、できれば試聴することをおすすめします。
次に、リイシュー盤とオリジナル盤の価格差を理解しておくことです。オリジナル盤は希少価値が高く、状態の良いものは高額になる傾向があります。予算に応じて、音質の良いリイシュー盤を選ぶのも賢明な選択です。近年のリマスター盤も品質が向上しているため、初心者の方はまずリイシュー盤から入るのも良いでしょう。
また、ジャケットの状態も重要です。Rideのアルバムアートワークは作品の世界観を表現する重要な要素なので、破れや色褪せがないかチェックしましょう。
レコード購入ガイドでも詳しく解説していますが、信頼できるショップで購入することが、失敗を避ける最善の方法です。特にオンライン購入の際は、出品者の評価や返品ポリシーを確認することをおすすめします。
レコードで聴く魅力¶
Rideの音楽は、レコードで聴くことで真価を発揮します。デジタル音源では圧縮されがちな轟音ギターの質感や、繊細な高音域のディテールが、アナログ盤では豊かに再現されます。
特に「Nowhere」の「Vapour Trail」は、レコードで聴くと浮遊感と立体感が段違いです。Mark GardenerとAndy Bellのツインボーカルのハーモニーも、アナログ特有の温かみのある音色で包み込まれます。
また、Creation Recordsのプレス品質の高さも相まって、90年代のオリジナル盤は驚くほど静寂なバックグラウンドから音楽が立ち上がってきます。ダイナミックレンジの広さは、デジタル音源では決して味わえないアナログならではの醍醐味です。
ターンテーブルに針を落とし、じっくりとアルバム全体を聴き通す体験は、シューゲイザー音楽の持つ没入感をさらに高めてくれます。A面からB面への流れ、曲間の空白も含めて、アーティストが意図した通りの音楽体験を得られるのがレコードの魅力です。
まとめ¶
Rideは、シューゲイザーシーンにおいて独自の地位を築いたバンドです。轟音ギターと美しいメロディの融合、疾走感のあるサウンドは、30年以上経った今でも色褪せることがありません。
「Nowhere」「Going Blank Again」を中心とした初期作品は、レコード収集の価値が高く、Creation Records UKオリジナル盤は特に音質が優れています。購入時はカタログナンバーや盤質を確認し、信頼できるショップで入手することをおすすめします。
レコードで聴くRideの音楽は、デジタルでは体験できない豊かな音場と立体感を提供してくれます。シューゲイザーファンはもちろん、オルタナティブロックやブリットポップが好きな方にも、ぜひ一度アナログ盤で体験していただきたいアーティストです。
音楽的な探求心と高いメロディセンスを持つRideの作品は、あなたのレコードコレクションに新たな彩りを加えてくれることでしょう。
Digital & Analog in Harmony.
テクノロジーとカルチャーの交差点から、共鳴を生み出す。Harmonic Society は、アナログの温もりとデジタルの可能性を掛け合わせ、音楽と文化の新しい体験を届けています。姉妹サイト Harmonic Society Philosophy では古代から現代までの哲学を、Post Web3 ではWeb3・ブロックチェーンの専門分析を発信しています。