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Siouxsie and the Banshees - ゴシックロックの女王

ダークで妖艶なサウンドと、Siouxsie Siouxの圧倒的なカリスマ性で、80年代のゴシックロック/ポストパンクシーンを牽引したSiouxsie and the Banshees。パンクの衝動性とアートロックの実験性を融合させた彼らの音楽は、今なお多くのアーティストに影響を与え続けています。本記事では、レコードコレクターの視点から、彼らの名盤とオリジナル盤の見分け方、収集時の注意点までを詳しく解説します。

アーティストの概要

Siouxsie and the Bansheesは、1976年にロンドンで結成されたイギリスのロックバンドです。Sex Pistolsのライブに触発されたSiouxsie Sioux(ヴォーカル)とSteven Severin(ベース)を中心に、当初は即興的なパンクバンドとしてスタートしました。1978年のデビューアルバム『The Scream』でその独創的なサウンドを確立し、以降『Join Hands』『Kaleidoscope』と作品を重ねるごとに音楽性を深化させていきます。

特に1981年の『Juju』では、ゴシックロックというジャンルの礎を築き、続く『A Kiss in the Dreamhouse』(1982年)では、サイケデリックな要素を取り入れた実験的なサウンドを展開しました。1980年代半ばには『Tinderbox』(1986年)や『Through the Looking Glass』(1987年)でよりポップな側面も見せ、商業的な成功も収めています。

Siouxsie Siouxの氷のように冷たくも情熱的なヴォーカル、John McGeochやBudgie(ドラムス)らが生み出す幻想的なサウンドスケープは、ポストパンクニューウェーブの枠を超えた唯一無二の世界観を創り上げました。

おすすめアルバム5選

1. Juju (1981)

バンドの最高傑作として名高い4thアルバム。「Spellbound」「Arabian Knights」「Halloween」など、ゴシックロックの金字塔となった楽曲が並びます。John McGeochのギターワークが生み出す緊張感と、Siouxsieの呪術的なヴォーカルが完璧に融合した作品です。UK盤Polydorオリジナルは、重厚な音圧が魅力で、コレクター間でも特に人気が高いです。

2. A Kiss in the Dreamhouse (1982)

サイケデリックな要素とオーケストラアレンジを取り入れた実験的な5thアルバム。「Melt!」の10分を超える大作や、「Slowdive」の浮遊感あふれるサウンドは、バンドの音楽的野心を示しています。オリジナル盤は音の奥行きが素晴らしく、アナログならではの臨場感を体験できます。

3. Kaleidoscope (1980)

3rdアルバムにして、バンドの音楽性が大きく開花した作品。「Happy House」や「Christine」など、ダークさとポップさが共存した楽曲が収録されています。ポストパンクからニューウェーブへの転換点となった重要作で、UK盤オリジナルプレスは音質の良さで知られています。

4. Tinderbox (1986)

7thアルバムで、よりメインストリーム志向のサウンドを追求した作品。「Cities in Dust」は全英チャート21位を記録し、商業的にも成功を収めました。ダンサブルでありながらもバンドらしいダークな雰囲気を保っており、初心者にも聴きやすい一枚です。Geffen盤(US)とPolydor盤(UK)でプレス品質に違いがあります。

5. The Scream (1978)

衝撃のデビューアルバム。パンクの攻撃性とアートロックの実験性が激突した、生々しいエネルギーに満ちた作品です。「Pure」「Jigsaw Feeling」など、初期の荒削りながらも革新的なサウンドが詰まっています。初回プレスのUK盤Polydorは、パンク期の熱量をそのまま記録した貴重な音源です。

オリジナル盤の見分け方

Siouxsie and the Bansheesのレコードは、主にUK盤(Polydor)とUS盤(Geffen)が流通していますが、オリジナル盤を見分けるにはいくつかのポイントがあります。

UK盤Polydorオリジナルの特徴

  • レーベル: Polydorのロゴと「Made in England」表記
  • マトリクス: A-1/B-1など初回プレスを示す刻印
  • ジャケット: ラミネート加工がしっかりしており、印刷の発色が鮮やか
  • インナースリーブ: Polydor社のロゴ入り内袋が多い

US盤Geffenオリジナルの特徴

  • レーベル: Geffenロゴと「Made in USA」表記
  • バーコード: 80年代後半以降はバーコード付き
  • ジャケット: US盤特有の薄手のカードボード仕様

特に『Juju』や『A Kiss in the Dreamhouse』などの人気作は、UK盤オリジナルの方が音質的に優れているとされ、マトリクス番号の確認が重要です。レコード用語集で専門用語を確認しながら、丁寧にチェックすることをおすすめします。

買うときの注意点

Siouxsie and the Bansheesのレコードを購入する際は、以下の点に注意しましょう。

盤質のチェック

ゴシックロック系のレコードは、熱心なファンが繰り返し再生していることが多く、スクラッチやノイズが入っている場合があります。特に「Spellbound」や「Cities in Dust」などのヒット曲は、針飛びしやすい箇所がないか確認が必要です。

リプレス盤との違い

人気作は何度も再発されており、80年代後半〜90年代のリプレス盤が多く出回っています。オリジナル盤を狙う場合は、マトリクス番号とレーベルデザインを必ず確認しましょう。レコード購入ガイドも参考にしてください。

価格の相場感

『Juju』のUK盤オリジナルは状態が良いもので3,000〜5,000円程度、『A Kiss in the Dreamhouse』も同様の価格帯です。デビュー作『The Scream』の初回プレスはやや高めで、5,000〜8,000円ほどが相場です。極端に安い場合は、盤質やプレス違いの可能性があるので注意が必要です。

ジャケットの状態

Siouxsie and the Bansheesのアートワークは視覚的な魅力も大きいため、ジャケットの状態も重要です。特に『A Kiss in the Dreamhouse』のアートワークは繊細なので、シミやスレの有無を確認しましょう。

レコードで聴く魅力

Siouxsie and the Bansheesの音楽は、アナログレコードで聴くことで真価を発揮します。

音の立体感と奥行き

80年代のアナログマスタリングは、デジタルリマスター盤では失われがちな音の立体感と奥行きを保っています。特に『A Kiss in the Dreamhouse』のサイケデリックなサウンドや、『Juju』の重厚なギターサウンドは、アナログならではの豊かな倍音成分が魅力です。

Siouxsieのヴォーカルの質感

CDやストリーミングでは圧縮されがちなSiouxsie Siouxのヴォーカルの微細なニュアンスが、レコードでは生々しく再現されます。ウィスパーボイスからシャウトまで、彼女の表現力の幅をより深く体感できます。

時代の空気感

パンク〜ポストパンク〜ゴシックロックという時代の空気感を、当時のプレスで体験できるのはレコードならではの醍醐味です。ジャケットを手に取り、針を落とす瞬間から、1980年代のUKアンダーグラウンドシーンへとタイムスリップできます。

まとめ

Siouxsie and the Bansheesは、ゴシックロックとポストパンクの歴史において欠かせない存在です。『Juju』『A Kiss in the Dreamhouse』『Kaleidoscope』『Tinderbox』といった名盤は、どれもレコードコレクションに加えたい傑作揃いです。

UK盤Polydorのオリジナルプレスは音質・プレス品質ともに優れており、マトリクス番号やレーベルを確認しながら探す楽しみがあります。盤質やジャケットの状態に注意しながら、信頼できるショップで購入することをおすすめします。

アナログレコードで聴くSiouxsie and the Bansheesは、デジタルでは味わえない音の深みと、時代の空気感を存分に楽しませてくれます。ぜひ、ターンテーブルに乗せて、ゴシックロックの女王が紡ぐ幻想的な世界に浸ってみてください。


Digital & Analog in Harmony.

テクノロジーとカルチャーの交差点から、共鳴を生み出す。Harmonic Society は、アナログの温もりとデジタルの可能性を掛け合わせ、音楽と文化の新しい体験を届けています。姉妹サイト Harmonic Society Philosophy では古代から現代までの哲学を、Post Web3 ではWeb3・ブロックチェーンの専門分析を発信しています。