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The Animals(ジ・アニマルズ)のレコードガイド|おすすめ盤と選び方

The Animals(ジ・アニマルズ)は、1960年代のブリティッシュ・インヴェイジョンを代表するR&Bバンドです。エリック・バードンの魂を揺さぶるヴォーカルと、アラン・プライスの力強いオルガンサウンドが織りなす音楽は、半世紀以上を経た今もレコードで聴くと鮮烈な迫力を感じさせてくれます。「朝日のあたる家(The House of the Rising Sun)」の衝撃的なアレンジは、ロック史に永遠に刻まれた名演です。

The Animalsとは?バンドの概要

The Animalsは1962年、イングランド北東部の街ニューキャッスル・アポン・タインで結成されました。もともとはアラン・プライス・コンボというバンド名で活動しており、エリック・バードンが加入してからThe Animalsと改名しています。メンバーは以下の5人です。

  • エリック・バードン(ヴォーカル) — ブルースへの深い愛情を持つ、荒々しくもソウルフルなシンガー
  • アラン・プライス(オルガン、キーボード) — バンドのサウンドを決定づけたオルガニスト。編曲の才能にも優れていた
  • ヒルトン・ヴァレンタイン(ギター) — アルペジオ奏法を駆使したユニークなギタースタイル
  • チャス・チャンドラー(ベース) — のちにジミ・ヘンドリックスのマネージャーとなった人物
  • ジョン・スティール(ドラムス) — タイトで堅実なビートでバンドを支えた

バンドは1964年にシングル「朝日のあたる家」で全英・全米の両方で1位を獲得し、一躍世界的な名声を得ました。この曲は、アメリカのトラディショナル・フォークソングをエレクトリックなR&Bアレンジに仕立て直したもので、アラン・プライスのオルガンイントロとエリック・バードンの切迫したヴォーカルが圧倒的な緊張感を生み出しています。

音楽的には、アメリカ南部のブルースやR&Bに強い影響を受けた「ブリティッシュR&B」の先駆者的存在です。同時代のローリング・ストーンズやヤードバーズとともに、黒人音楽を白人の若者に届ける橋渡し役を果たしました。ビートルズがポップで明るいサウンドだったのに対し、The Animalsはより生々しく、ダークで、ブルースに根ざしたサウンドが持ち味でした。

しかし、バンド内の人間関係や金銭問題、音楽性の違いなどから、1966年にアラン・プライスが脱退。その後もメンバーチェンジを繰り返しながら活動を続けましたが、オリジナル・メンバーによるバンドは1966年に事実上解散しました。エリック・バードンは「Eric Burdon and The Animals」として新メンバーと活動を継続し、サイケデリックな方向へと音楽性を変化させていきました。1968年にはこの新生アニマルズも解散しますが、その後もオリジナル・メンバーでの再結成が数度行われています。

おすすめアルバム5選

The Animalsはイギリスとアメリカで異なるアルバム構成でリリースされていたことに注意が必要です。ここでは入手しやすさも考慮して、おすすめの5枚を紹介します。

1. The Animals(1964年)

UK盤のデビューアルバムで、バンドの魅力がぎっしり詰まった1枚です。「朝日のあたる家」をはじめ、ジョン・リー・フッカーの「Boom Boom」、レイ・チャールズの「Talkin' 'Bout You」など、ブルースやR&Bのカバーを中心に、バンドの圧倒的な演奏力を堪能できます。スタジオ録音ながらライブのような熱量を感じられる作品で、レコードで聴くとその生々しさが一層際立ちます。

  • おすすめポイント: The Animals入門に最適、ブリティッシュR&Bの原点を体感できる
  • 中古相場目安: 国内盤 3,000〜6,000円、UKオリジナル盤 20,000〜60,000円

2. Animal Tracks(1965年)

UK盤の2ndアルバム。「Don't Let Me Be Misunderstood」「Bring It on Home to Me」など、バンドの代表曲を多数収録しています。デビュー作よりもサウンドに厚みが増し、アレンジの幅も広がりました。サム・クックやニーナ・シモンのカバーも見事で、バンドのR&Bへの深い理解と敬意が伝わってきます。

  • おすすめポイント: 楽曲のバリエーションが豊富、バンドの成長を感じられる
  • 中古相場目安: 国内盤 3,000〜5,000円、UKオリジナル盤 15,000〜40,000円

3. Animalisms(1966年)

オリジナル・メンバーによる最後のスタジオアルバム(UK盤)です。アラン・プライス脱退後、デイヴ・ロウベリーが後任として参加しています。「Inside-Looking Out」のような力強いブルースロックナンバーから、よりポップな楽曲まで、バンドの音楽的な幅広さを示す作品です。解散前夜の緊張感と成熟が同居した、聴きごたえのある1枚です。

  • おすすめポイント: オリジナル期の集大成、ブルースロックとしての完成度が高い
  • 中古相場目安: 国内盤 3,000〜6,000円、UKオリジナル盤 15,000〜45,000円

4. Eric Is Here(1967年)

エリック・バードンが新メンバーとともに制作したアルバムです。サイケデリックやポップスの要素を取り入れ、初期のストレートなR&Bとは異なる新たな方向性を打ち出しました。「Help Me Girl」「In the Night」など、バードンのヴォーカルの新たな一面が楽しめます。前期と後期の橋渡し的な位置づけの作品です。

  • おすすめポイント: エリック・バードンの表現力の変化を楽しめる
  • 中古相場目安: 国内盤 2,000〜5,000円、USオリジナル盤 5,000〜15,000円

5. The Best of The Animals(1966年)

シングルヒットが多いバンドだけに、ベスト盤の存在価値は非常に高いです。「朝日のあたる家」「Don't Let Me Be Misunderstood」「We Gotta Get Out of This Place」「It's My Life」など、名曲が一枚に凝縮されています。オリジナルアルバム未収録のシングル曲も含まれるため、コレクションとしても重要な1枚です。

  • おすすめポイント: 代表曲を網羅、入門にもコレクションにも最適
  • 中古相場目安: 国内盤 1,500〜3,000円、USオリジナル盤 3,000〜10,000円

オリジナル盤の見分け方

The Animalsのオリジナル盤を見分けるには、UK Columbiaレーベルの特徴を知っておくことが重要です。

UK Columbiaオリジナル盤のチェックポイント

チェック項目 オリジナル盤の特徴
レーベル Columbia 青×黒のツートンカラー(初期プレス)
マトリクスナンバー デッドワックスに「XAX」から始まる刻印
マトリクス末尾 「-1N / -1N」など数字が小さいほど初期プレス
ジャケット ラミネート(光沢)加工あり
裏ジャケット 「Sold in the U.K.…」の表記あり

UK盤はColumbia(EMI傘下)からのリリースで、初回プレスは青と黒のツートンカラーレーベルが目印です。マトリクスナンバーはレコード盤の内周部分(デッドワックス)に刻印されており、「XAX」で始まる番号が確認できます。末尾の数字が「1N」や「1G」であれば初回プレスの可能性が高いです。

一方、US盤はMGMレーベルからリリースされており、UK盤とは収録曲やジャケットデザインが異なる場合が多いです。US盤のオリジナルはMGMの黄色い「ライオン」レーベルが特徴で、こちらもコレクターの間で人気があります。

再発盤との違い

1970年代以降の再発盤はレーベルデザインが変わっていることが多く、また音質面でもオリジナルプレスとは異なります。オリジナル盤のほうが、録音本来のダイナミクスや空気感をより忠実に再現している傾向があります。ただし、状態の良い再発盤も十分に楽しめる音質ですので、予算に応じて選ぶと良いでしょう。

中古レコードを買うときの注意点

The Animalsのレコードは1960年代の作品が中心のため、中古で購入する際にはいくつかの注意点があります。

  • 盤の状態を確認する: 60年以上前のレコードも存在するため、グレーディングは必ずチェックしましょう。VG+以上であれば、ノイズも少なく快適に聴けます。VG以下の場合は、スクラッチノイズやチリチリ音が目立つことがあります
  • UK盤とUS盤の違いに注意: The Animalsはイギリスとアメリカで異なるアルバム構成でリリースされていました。収録曲やジャケットが異なるため、どの国のプレスかを必ず確認してから購入しましょう
  • モノラル盤とステレオ盤: 初期のアルバムにはモノラル盤とステレオ盤の両方が存在します。モノラル盤はよりまとまりのある力強いサウンドが特徴で、ブルースやR&Bを聴くにはモノラルの方が好みという方も多いです
  • ジャケットの状態も確認: 60年代のレコードはジャケットにリングウェア(盤の跡)やシミ、破れが見られることがあります。ジャケットの状態も価格に大きく影響しますので、盤質とあわせてチェックしましょう
  • ベスト盤・コンピ盤の見極め: The Animalsは非常に多くのベスト盤やコンピレーション盤が出回っています。オリジナルアルバムとして探している場合は、カタログ番号やレーベル情報を事前に調べておくと安心です

まとめ

The Animals(ジ・アニマルズ)は、ブリティッシュR&Bの最も重要なバンドの一つであり、エリック・バードンの魂を込めたヴォーカルとアラン・プライスのオルガンが生み出すサウンドは、レコードで聴いてこそ真価を発揮します。「朝日のあたる家」をはじめとする数々の名曲は、60年以上経った今もその輝きを失っていません。まずはベスト盤やデビューアルバムから手に取って、1960年代ニューキャッスルから世界を席巻したR&Bサウンドの熱気を、ぜひレコードで体感してみてください。


関連リンク

  • 用語集 — オリジナル盤、グレーディングなどレコード用語の解説はこちら

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