The Smiths(ザ・スミス)のレコードガイド|おすすめ盤と名盤の魅力¶
The Smiths(ザ・スミス)は、1980年代のイギリスで最も重要なロックバンドの一つです。モリッシーの文学的な歌詞とジョニー・マーの煌めくギターサウンドは、レコードの温かい音で聴いてこそ真価を発揮します。この記事では、おすすめアルバムからシングル盤の魅力まで詳しく紹介します。
The Smithsとは?バンドの概要¶
The Smithsは1982年にイギリス・マンチェスターで結成され、1987年に解散しました。わずか5年間の活動ながら、インディーロックの礎を築いた伝説的なバンドです。
- モリッシー(ヴォーカル) — ウィットに富んだ歌詞と独特のクルーナースタイルで歌う詩人的フロントマン
- ジョニー・マー(ギター) — アルペジオとジャングリーなコードワークを駆使する天才ギタリスト
- アンディ・ルーク(ベース) — メロディアスなベースラインでバンドのグルーヴを支えた
- マイク・ジョイス(ドラムス) — タイトで力強いビートを刻むドラマー
The Smithsの音楽的特徴は、シンセサイザーが全盛だった1980年代のUKポップシーンにおいて、ギター・ベース・ドラムスという編成にこだわり続けたことです。ジョニー・マーが重ねるギターの多層的なサウンドは、キーボードなしでも豊かな音の世界を作り上げました。モリッシーの歌詞は孤独、疎外感、ユーモア、そして文学や映画への深い造詣に満ちており、多くのリスナーに「自分だけに語りかけてくれるバンド」として愛されています。
The Smithsのレコード おすすめアルバム4選¶
The Smithsのスタジオアルバムは全4枚。すべてが名盤ですが、おすすめ順に紹介します。
1. The Queen Is Dead(1986年)¶
バンドの最高傑作として広く認められている3rdアルバム。タイトル曲の激しいオープニングから、「There Is a Light That Never Goes Out」の切ないメロディまで、アルバムを通じてドラマティックな展開が続きます。レコードのA面とB面でまったく異なる表情を見せる構成が見事です。
- おすすめポイント: 「There Is a Light That Never Goes Out」はレコードで聴くと涙が出るほど美しい
- 中古相場目安: 国内盤 3,000〜6,000円、UKオリジナル盤 5,000〜15,000円
2. The Smiths(1984年)¶
デビューアルバム。「Reel Around the Fountain」「Hand in Glove」「This Charming Man」(UK盤には未収録、ただしリイシュー盤で追加)など、初期の名曲が詰まった1枚です。ジョン・ポーター(一部トロイ・テイト)によるプロダクションは、バンドのライブ感を活かした生々しい仕上がりになっています。
- おすすめポイント: The Smithsの原点を味わえるデビュー作、飾らないサウンドが魅力
- 中古相場目安: 国内盤 2,000〜5,000円、UKオリジナル盤 3,000〜10,000円
3. Meat Is Murder(1985年)¶
社会的メッセージが前面に出た2ndアルバム。「How Soon Is Now?」(USおよびリイシュー盤に収録)の催眠的なギターリフは、レコードの太い低音で聴くと圧巻です。「That Joke Isn't Funny Anymore」の繊細なアレンジ、「The Headmaster Ritual」のアグレッシブなギターなど、バンドの音楽的な幅が広がった作品です。
- おすすめポイント: ジョニー・マーのギターワークが最も多彩、バンドの成長が感じられる
4. Strangeways, Here We Come(1987年)¶
ラストアルバム。プロダクションが最も洗練されており、「Last Night I Dreamt That Somebody Loved Me」のオーケストラアレンジ、「Girlfriend in a Coma」のポップさなど、バンドの集大成と呼べる作品です。解散を予感させる憂いを帯びた空気感が、レコードの温かみのある音と絶妙にマッチします。
- おすすめポイント: 最も音質が良いアルバム、バンドの完成形
7インチシングルの魅力——The Smithsをレコードで集める醍醐味¶
The Smithsの真の魅力を味わうには、アルバムだけでなく7インチシングル盤にも注目すべきです。The Smithsはシングルのカップリング(B面)に、アルバム未収録の名曲を数多く収録しました。
なぜシングル盤が重要なのか¶
- アルバム未収録曲の宝庫: 「How Soon Is Now?」「Please, Please, Please, Let Me Get What I Want」「Half a Person」など、シングルのB面にしか収録されていない名曲が多数
- ジャケットデザイン: モリッシーが選んだ映画スターや文化人の写真を使ったシングルジャケットは、1枚1枚がアート作品。7インチのサイズ感で手に取ると格別です
- 限定プレス: カラーヴァイナルや特殊ジャケットの限定盤も存在し、コレクション性が高い
主要シングル一覧¶
| タイトル | リリース年 | 注目B面曲 |
|---|---|---|
| Hand in Glove | 1983 | Handsome Devil |
| This Charming Man | 1983 | Jeane |
| What Difference Does It Make? | 1984 | Back to the Old House |
| Heaven Knows I'm Miserable Now | 1984 | Suffer Little Children |
| William, It Was Really Nothing | 1984 | Please, Please, Please, Let Me Get What I Want |
| How Soon Is Now? | 1985 | Well I Wonder |
| Panic | 1986 | Vicar in a Tutu |
| Ask | 1986 | Cemetry Gates(ライブ) |
The SmithsのUKオリジナル盤の見分け方¶
The SmithsのレコードはすべてRough Tradeレーベルからリリースされました。オリジナル盤を見分けるポイントを紹介します。
| チェック項目 | オリジナル盤の特徴 |
|---|---|
| レーベル | Rough Trade Records(RT / ROUGH のカタログ番号) |
| マトリクスナンバー | 手書きの刻印が初期プレスの特徴 |
| ジャケット | 初期プレスはジャケットの紙質が異なる場合あり |
| インナースリーブ | Rough Trade のカタログ付き |
The Smithsはインディーレーベルからのリリースだったため、大手レーベルと比べると初回プレス数が少なく、状態の良いUKオリジナル盤は年々値上がりしています。ただし、再発盤も多数リリースされており、Warnerからの180gリマスター盤は音質面で高い評価を得ています。
The Smithsのレコードを買うときの注意点¶
- UK盤とUS盤の収録曲の違い: US盤のSireレーベル版は、UK盤とは収録曲が異なるアルバムがあります。特に1stアルバムはUS盤に「This Charming Man」が追加されているなど違いがあるので、どの版を購入するか意識しましょう
- コンピレーション盤が多い: 解散後に多数のベスト盤・編集盤がリリースされています。『Hatful of Hollow』『The World Won't Listen』『Louder Than Bombs』はB面曲やセッション音源を集めた重要な編集盤です
- 盤の状態確認: 1980年代のインディーレコードは保管状態にバラつきがあるため、グレーディングをしっかり確認しましょう
- 再発盤から始めるのもおすすめ: 180gリマスター盤は入手しやすく音質も優秀です。気に入ったらオリジナル盤やシングル盤を探してみてください
レコードの購入場所については、レコードの購入場所ガイドも参考にしてみてください。
The Smithsをレコードで聴く魅力¶
The Smithsの音楽は、レコードで聴くことで一段と輝きを増します。
- ジョニー・マーのギターの倍音: 複数のギターを重ねたジャングリーなサウンドは、レコードの温かい再生音で聴くと倍音の広がりが美しく、デジタル音源では感じにくい奥行きを体験できます
- モリッシーのヴォーカルの生々しさ: 囁くように歌い、時に叫ぶモリッシーの声は、アナログの自然な音の揺らぎと相性が抜群です
- ジャケットアートの美学: モリッシーが厳選した映画スターやアイコンの写真を使ったジャケットは、12インチや7インチの実物を手に取ってこそ味わえる芸術作品です
- A面・B面の体験: 特に『The Queen Is Dead』は、A面の激しさとB面の静かな美しさのコントラストが、レコードを裏返す行為によって劇的に際立ちます
まとめ¶
- The Smiths(ザ・スミス)はスタジオアルバム全4枚すべてが名盤。最初の1枚には『The Queen Is Dead』がおすすめ
- 7インチシングルのB面にアルバム未収録の名曲が多数あり、シングル盤コレクションも楽しい
- UKオリジナル盤はRough Tradeレーベルが目印。初期プレスは希少価値が高まっている
- 180gリマスター再発盤は入手しやすく音質も優秀なので、入門用に最適
- ジョニー・マーの多層的なギターサウンドは、レコードの温かい音で聴くことで真の美しさを体験できる
Digital & Analog in Harmony.
テクノロジーとカルチャーの交差点から、共鳴を生み出す。Harmonic Society は、アナログの温もりとデジタルの可能性を掛け合わせ、音楽と文化の新しい体験を届けています。姉妹サイト Harmonic Society Philosophy では古代から現代までの哲学を、Post Web3 ではWeb3・ブロックチェーンの専門分析を発信しています。