レコード用語集
グレーディング用語
- M (Mint)
- 未開封・未使用の状態。シュリンク未開封のみ該当する。
- NM (Near Mint)
- ほぼ新品同様。開封済みだが目立つキズやスレがない状態。
- VG+ (Very Good Plus)
- 軽微な薄いスレがあるが、再生時のノイズはほぼ感じられない。
- VG (Very Good)
- 表面にキズやスレが確認できるが、音楽再生に大きな支障はない。
- G+ (Good Plus)
- 多数のキズやスレがあり、再生に影響するレベル。
- G (Good)
- 深いキズがあり、音飛びや繰り返しが発生する可能性がある。
- F (Fair)
- 再生はできるが、著しいノイズや音飛びがある。鑑賞用としては厳しい状態。
- P (Poor)
- 再生に支障をきたすレベル。コレクション目的のみでの保持となる。
- シールド(Sealed)
- 工場出荷時のシュリンクが未開封のままの状態。最高の状態を意味する。
- カットアウト(Cutout)
- ジャケットの角や背にカット・穴・ノッチが入った盤。在庫処分品を示すマーキング。
レコード関連用語
- LP
- Long Playing record の略。33 ⅓ 回転の 12 インチレコード。アルバム 1 枚分を収録する。
- EP
- Extended Play の略。シングルより長いがアルバムより短い、45 回転の 7 インチまたは 12 インチレコード。
- シングル盤
- 45 回転の 7 インチレコード。A 面・B 面に各 1 曲ずつ収録されるのが一般的。
- 12 インチシングル
- 12 インチサイズの 45 回転シングル。ダンスミュージックで多用され、ロングミックスやリミックスを収録する。
- 10 インチ盤
- LP が普及する以前に主流だったサイズ。78 回転の SP 盤が代表的。近年はミニアルバム用として再注目されている。
- SP 盤(78 回転盤)
- Standard Play の略。78 回転で再生するシェラック製レコード。1950 年代以前の主流フォーマット。
- ピクチャーディスク
- 盤面にカラー印刷が施されたレコード。コレクターズアイテムとして人気が高いが、音質は通常盤より劣る場合がある。
- カラーヴァイナル
- 黒以外の色で成型されたレコード盤。赤・青・透明など多彩なバリエーションがあり、限定盤に多い。
- スプラッターヴァイナル
- ベースカラーの上に別色の塗料を飛ばしたデザインのカラー盤。1 枚ごとに柄が異なる。
- 重量盤(180g / 200g)
- 通常盤(120〜140g)より重い高品質なプレス。反りに強く、再生の安定性や音質の向上が期待される。
- 帯(Obi)
- 日本盤レコードのジャケットに巻かれた細長い紙の帯。タイトル・価格・解説が記載される。帯の有無で中古市場での価値が大きく変わる。
- ライナーノーツ
- レコードに付属する解説書。アーティスト情報、楽曲解説、歌詞などが記載される。
- インナースリーブ
- レコード盤を入れる内袋。紙製のものとポリエチレン製のものがある。
- アウタースリーブ
- ジャケットの外側にかぶせる透明なビニールカバー。ジャケットの保護に使用する。
- リングウェア
- ジャケット表面にレコード盤の形が丸く跡になった状態。保管時の圧迫が原因。
- シームスプリット
- ジャケットの接着部分が開いてしまった状態。経年劣化や保管環境の悪さが原因。
- ゲートフォールド
- 見開き仕様のジャケット。アートワークや歌詞カードを大きく掲載できる。2LP 以上の作品に多い。
- ダブルジャケット
- レコード 2 枚分を収納できるジャケット。ゲートフォールドとは異なり、両面にポケットがある。
- インサート
- レコードに同封される印刷物の総称。歌詞カード、ポスター、ステッカーなど。
- マトリクスナンバー
- レコードのデッドワックス部分に刻印された番号。プレス工場・プレス回数などを特定できる。
- デッドワックス(ランアウトグルーヴ)
- レコードの音溝が終わった後の、無音の平らな部分。マトリクスナンバーやエッチングが刻まれている。
- レーベル面
- レコード盤中央に貼られたラベル。レーベル名、曲目、カタログ番号などが印刷されている。
- A 面 / B 面
- レコードの表面と裏面。A 面にはリードシングルや代表曲、B 面にはカップリング曲が収録されることが多い。
- コンピレーション
- 複数のアーティストの楽曲をまとめた盤。サウンドトラックやオムニバスもこれに含まれる。
- ブートレグ
- 非公式に制作・販売された海賊盤。ライブ音源やアウトテイクが収録されることが多い。
- プロモ盤(Promo)
- 販売促進用に制作された非売品。ラベルに「PROMO」「NOT FOR SALE」などの表記がある。
- テストプレス
- 本格生産前に品質確認のために少量プレスされた盤。白無地のラベルが多く、希少価値が高い。
- ホワイトレーベル
- 白い無地のラベルが貼られた盤。テストプレスやプロモ盤に多く見られる。
プレス・版型用語
- オリジナル盤
- 初回プレス盤。最もマスターテープに近い音質とされ、コレクターズアイテムとして高値がつく。
- 再発盤(リイシュー)
- オリジナル発売後に再プレスされた盤。リマスタリングが施される場合もある。
- 国内盤
- 日本国内でプレスされた盤。帯・日本語ライナーノーツが付属することが多い。
- 輸入盤
- 海外でプレスされ、日本に輸入された盤。
- モノラル / ステレオ
- モノラルは音声を 1 チャンネルで再生する方式。ステレオは左右 2 チャンネルで再生する。初期のジャズやロックではモノラル盤がオリジナルとされることが多い。
- クアドラフォニック(4 チャンネル)
- 1970 年代に試みられた 4 チャンネルサラウンド方式。CD-4、SQ、QS などの規格がある。
- ファーストプレス
- 初回プレスのこと。マスターテープからのラッカー盤が最も忠実なため、音質面で評価が高い。
- セカンドプレス
- 初回プレスの後に追加製造された盤。ラベルデザインやマトリクスナンバーが異なることがある。
- リマスター盤
- オリジナルのマスターテープから新たにマスタリングをやり直した盤。現代の技術で音質向上を図る。
- ハーフスピードマスタリング
- 通常の半分の速度でカッティングするマスタリング手法。高域の精度が上がり、繊細な音質が得られる。
- ダイレクトカット
- マスターテープを介さず、演奏をリアルタイムでラッカー盤にカッティングする手法。臨場感に優れる。
- ラッカー盤(アセテート盤)
- カッティングマシンで溝を刻む原盤。これを基にメタルマスターが作られ、量産プレスに進む。
- スタンパー
- プレス機にセットしてレコード盤を成型するための金属の型。スタンパーの消耗に伴い音質が変化する。
- マザー
- メタルマスターから作られる中間工程の型。マザーから複数のスタンパーが製造される。
- ヴァージンヴァイナル
- 再生材を含まない純粋な新品素材で作られたレコード盤。音質面で有利とされる。
オーディオ・再生機器用語
- ターンテーブル
- レコードを回転させて再生する機器。レコードプレーヤーとも呼ばれる。
- カートリッジ
- レコードの溝を読み取る部品。MM 型と MC 型がある。
- MM 型カートリッジ
- ムービングマグネット型。マグネットが振動してコイルに信号を誘導する方式。出力が大きく扱いやすい。
- MC 型カートリッジ
- ムービングコイル型。コイルが振動する方式。出力が小さいが繊細な表現力に優れる。昇圧トランスやヘッドアンプが必要。
- スタイラス
- レコードの溝をトレースする針。消耗品のため定期的な交換が必要。
- 針圧
- スタイラスがレコード盤面に加える力。適正な針圧はカートリッジごとに異なる。
- フォノイコライザー
- レコードの信号を補正・増幅するプリアンプ。RIAA カーブに基づいて周波数特性を平坦化する。
- RIAA カーブ
- レコードのカッティング・再生時に使用される標準的な周波数補正カーブ。1954 年に米国レコード工業会(RIAA)が策定。
- トーンアーム
- カートリッジを保持し、レコードの溝に沿って移動させるアーム。ストレート型と S 字型がある。
- ヘッドシェル
- トーンアームの先端に取り付け、カートリッジを固定する部品。素材や重量が音質に影響する。
- オーバーハング
- スタイラスの先端がターンテーブルのスピンドル中心を超える距離。正確な調整がトラッキングエラーの低減に重要。
- アンチスケーティング
- レコード再生時に内側へ引き寄せられる力を相殺する機構。左右チャンネルの均等なトレースを実現する。
- インサイドフォース
- トーンアームが内周方向に引っ張られる力。アンチスケーティングで補正しないと偏摩耗の原因になる。
- アジマス
- カートリッジが盤面に対して垂直に接触しているかの角度。ずれると左右のチャンネルバランスが崩れる。
- VTA(Vertical Tracking Angle)
- スタイラスがレコードの溝に対して接する垂直方向の角度。一般に 20 度前後が適正とされる。
- ダイレクトドライブ
- モーターがプラッターを直接駆動する方式。回転精度が高く、DJ 用途で広く使われる。
- ベルトドライブ
- モーターの回転をゴムベルトを介してプラッターに伝える方式。モーターの振動が伝わりにくく、静粛性に優れる。
- アイドラードライブ
- ゴムローラー(アイドラー)を介してモーターの回転をプラッターに伝える方式。トルクが強いが経年でゴムが劣化する。
- プラッター
- レコード盤を載せて回転する円盤部分。素材や重量が回転安定性と音質に影響する。
- スリップマット
- ターンテーブルのプラッター上に敷くマット。DJ がスクラッチやキューイングをしやすくするために使用する。
- ターンテーブルマット
- プラッターとレコードの間に敷くマット。フェルト・ゴム・コルクなど素材により音質の傾向が変わる。
- ターンテーブルシート
- ターンテーブルマットと同義。メーカーによって呼称が異なる。
- レコードスタビライザー
- レコードの上に載せる重り。盤面をプラッターに密着させ、反りの影響を軽減する。
- レコードクランプ
- スピンドルに固定してレコードを押さえる器具。スタビライザーと同様の効果がある。
- フォノケーブル
- ターンテーブルとフォノイコライザー(またはアンプ)を接続するケーブル。シールド性能が音質に影響する。
- 昇圧トランス
- MC カートリッジの微小な出力を増幅してフォノイコライザーに送る受動素子。ヘッドアンプの代替として使われる。
- ヘッドアンプ
- MC カートリッジの微小出力を増幅する能動回路。昇圧トランスと比べてフラットな特性が得やすい。
- プリアンプ
- フォノイコライザーを含む前段増幅器。音量調整や入力切替の機能も持つ。
- パワーアンプ
- プリアンプからの信号をスピーカー駆動に必要なレベルまで増幅する機器。
- プリメインアンプ
- プリアンプとパワーアンプを一体化した機器。省スペースで扱いやすい。
レコード再生・音質用語
- サーフェスノイズ
- レコード盤面の微細な傷やホコリにより発生する「チリチリ」「プチプチ」というノイズ。
- ポップノイズ
- 盤面のキズやゴミで発生する「パチッ」という突発的なノイズ。
- ワウフラッター
- 回転ムラによる音程の揺れ。ワウは緩やかな変動、フラッターは細かい変動を指す。
- SN 比(S/N 比)
- 信号(Signal)と雑音(Noise)の比率。数値が大きいほどノイズが少なく高品質。
- ダイナミックレンジ
- 最も小さい音と最も大きい音の幅。レコードは約 60〜70dB 程度とされる。
- チャンネルセパレーション
- 左右チャンネルの分離度。数値が大きいほどステレオの定位が明瞭になる。
- 内周歪み
- レコードの内周部で発生しやすい音の歪み。内周になるほど線速度が落ち、高域の再生が難しくなる。
- トラッキングエラー
- スタイラスがレコードの溝を正確にトレースできないことで発生する歪み。トーンアームの調整で軽減できる。
- 音溝(グルーヴ)
- レコード盤面に刻まれた螺旋状の溝。音楽信号が物理的な凹凸として記録されている。
- ラウドカット
- 通常より深く大きい音溝でカッティングされた盤。音圧が高くダイナミックだが、トレースが難しい場合がある。
レコードの取り扱い・メンテナンス用語
- ウェットクリーニング
- 専用のクリーニング液を使ってレコード盤面を洗浄する方法。深い汚れやカビに有効。
- ドライクリーニング
- ブラシやクロスでホコリを除去する乾式クリーニング。再生前の日常的な手入れに適している。
- レコードクリーナー
- レコード盤面の汚れを除去するための器具や液剤の総称。ブラシ型、スプレー型、超音波型などがある。
- 超音波洗浄
- 超音波振動で微細な気泡を発生させ、溝の奥の汚れまで除去するクリーニング方法。
- バキュームクリーニング
- クリーニング液を塗布した後、真空吸引で液と汚れを除去する方法。効果が高いが専用機が必要。
- 静電気除去
- 帯電したレコード盤から静電気を取り除くこと。ゼロスタットガンや除電ブラシが用いられる。
- 反り(ワープ)
- レコード盤が平面でなく曲がった状態。熱や保管時の圧力が原因。軽度なら再生可能だが音質に影響する。
- レコードクリーニングクロス
- マイクロファイバーなどの柔らかい素材でできた、レコード盤面拭き取り用の布。
コレクティング・市場用語
- ディグ(Digging)
- レコード店や中古ショップでレコードを掘り出すように探す行為。「ディグる」とも言う。
- エサ箱
- レコード店で安価なレコードがまとめて入れられているコーナー。掘り出し物が見つかることもある。
- デッドストック
- 未使用のまま長期在庫となっていた商品。新品同様の状態で入手できる。
- レア盤
- 生産数が少ない、現存数が限られているなどの理由で入手困難なレコード。
- 廃盤
- 生産が終了したレコード。再発されない限り中古市場でしか入手できない。
- 限定盤
- 生産枚数や販売期間が限定されたレコード。カラーヴァイナルやボーナストラック付きなど特典があることが多い。
- 番号入り(ナンバード)
- ジャケットや盤にシリアルナンバーが印字された限定盤。番号が若いほど価値が高いとされることがある。
- サンプラー
- レーベルやアーティストの楽曲をダイジェストで収録した盤。販促用に配布されることが多い。
- ボックスセット
- 複数枚のレコードをセットにした豪華パッケージ。ブックレットやポスターなど特典が付属することが多い。
- カタログナンバー
- レコードに付与された品番。レーベル・発売国・プレス時期の特定に使われる。
- Discogs
- 世界最大のレコードデータベースおよびマーケットプレイス。盤の詳細情報の確認や中古売買に利用される。
DJ・パフォーマンス用語
- スクラッチ
- レコードを手で前後に動かして独特の音を出す DJ テクニック。ヒップホップ文化の象徴的な技法。
- キューイング
- 次に再生する曲の頭出しをヘッドフォンで確認し、準備する作業。
- ビートマッチング
- 再生中の 2 枚のレコードの BPM(テンポ)を合わせるDJ の基本技術。
- ピッチコントロール
- ターンテーブルの回転速度を微調整する機能。ビートマッチングに使用する。
- BPM(Beats Per Minute)
- 1 分あたりの拍数。楽曲のテンポを示す数値で、DJ のミックスに不可欠な情報。
- クロスフェーダー
- DJ ミキサーに搭載された、2 つのチャンネルの音量バランスを切り替えるフェーダー。
- バックキューイング
- レコードを逆回転させて頭出しの位置に戻す動作。
音楽制作・録音用語
- マスターテープ
- スタジオで録音されたオリジナルの磁気テープ。レコードのカッティングの原盤となる。
- マスタリング
- 最終的な音質調整工程。EQ・コンプレッション・レベル調整などを行い、カッティングに適した音源に仕上げる。
- カッティング
- マスタリング済みの音源をラッカー盤に溝として刻む工程。カッティングエンジニアの技術が音質を左右する。
- カッティングエンジニア
- カッティング工程を担当する専門技師。ラッカー盤に溝を刻む際の音質や溝の幅を調整する。
- アナログ録音
- 音声信号をアナログ波形のまま磁気テープなどに記録する方式。デジタル変換を経ないため、音の自然さが特徴。
- デジタル録音
- 音声信号をデジタルデータに変換して記録する方式。ノイズが少なく編集が容易。
- AAA / AAD / ADD / DDD
- 録音・ミキシング・マスタリングの各工程がアナログ(A)かデジタル(D)かを示す 3 文字コード。AAA は全工程アナログ。
レーベル・レコード会社用語
- メジャーレーベル
- 大手レコード会社。Universal、Sony、Warner などが代表的。大規模な流通網と宣伝力を持つ。
- インディーレーベル
- 大手に属さない独立系レコードレーベル。アーティストの個性を尊重した作品づくりが特徴。
- サブレーベル
- メジャーレーベル傘下の専門レーベル。ジャンルやアーティストの方向性に特化して運営される。
- オーディオファイルレーベル
- 高音質にこだわったレコードを制作するレーベル。Mobile Fidelity、Analogue Productions などが有名。