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レコードの聴き方がわからない初心者へ|再生手順と必要な機材を解説

レコードの聴き方がわからないと感じている方でも、正しい手順を知れば誰でもすぐにアナログの豊かな音を楽しめます。この記事では、必要な機材の紹介から再生の流れ、よくある失敗の防ぎ方までをひとつずつ丁寧に解説していきます。

レコード再生に必要な機材をそろえよう

レコードを聴くには、最低限いくつかの機材が必要です。CDプレーヤーやスマートフォンとは違い、レコードはアナログの仕組みで音を鳴らすため、それぞれの機材が大切な役割を担っています。

  • ターンテーブル(レコードプレーヤー): レコード盤を回転させ、溝に刻まれた音の信号を読み取る装置です。初心者の方にはフルオート機やベルトドライブ式のエントリーモデルがおすすめです。
  • カートリッジと針(スタイラス): ターンテーブルのアームの先端に取り付けられた部品で、レコードの溝をなぞって振動を電気信号に変換します。針は消耗品なので定期的な交換が必要です。詳しくはレコード針の選び方ガイドをご覧ください。
  • フォノイコライザー(フォノアンプ): レコードから出力される信号はそのままでは非常に小さく、音のバランスも偏っています。フォノイコライザーはこの信号を正しいレベルと音質に補正する役割を持っています。ターンテーブルやアンプに内蔵されている場合もありますが、仕組みについてはフォノイコライザーガイドで詳しく解説しています。
  • アンプとスピーカー(またはヘッドホン): フォノイコライザーを通った信号をアンプで増幅し、スピーカーから音として出力します。アクティブスピーカーを使えばアンプが不要な場合もあります。

すべてがひとつにまとまったオールインワン型のプレーヤーも販売されていますので、まずは手軽に始めてみたいという方はそちらから試してみるのもよいでしょう。

レコードを再生する手順を覚えよう

機材がそろったら、いよいよレコードをかけてみましょう。以下の手順に沿って進めれば、初めてでも安心です。

1. 機材の電源を入れる

アンプ、フォノイコライザー(外付けの場合)、ターンテーブルの順に電源を入れます。スピーカーの音量は最初にゼロまたは最小にしておいてください。いきなり大きな音が出ると、スピーカーや耳を傷めてしまうことがあります。

2. レコード盤をターンテーブルに置く

レコードをジャケットと内袋から取り出します。このとき、盤面には指で触れないようにしましょう。レーベル(中央の紙部分)と外周の端だけを持つのがコツです。盤面に皮脂がつくと、ノイズの原因になります。ターンテーブルのスピンドル(中央の軸)にレコードの穴を合わせて、水平にそっと置いてください。

3. 回転数を合わせる

一般的なLPレコード(12インチ)は33回転、シングル盤(7インチ)は45回転です。ターンテーブルの回転数切り替えスイッチで正しい回転数を選びましょう。回転数が合っていないと、曲のテンポや音程がおかしくなります。

4. トーンアームを動かして針を落とす

ターンテーブルの回転が安定したら、アームレストからトーンアームを持ち上げます。多くのターンテーブルにはキューイングレバー(アームリフター)がついており、これを上げるとアームがゆっくり持ち上がります。アームをレコードの外周のリードイン溝(最初の溝)の上まで移動させてから、キューイングレバーをそっと下ろしましょう。針が溝に着地すると、一瞬の静寂のあとに音楽が流れ始めます。

ここがレコードを聴く上でもっともワクワクする瞬間です。針がレコードの溝をたどり始め、スピーカーから温かみのある音が広がる体験は、デジタル再生では味わえない特別なものです。

5. 音量を調整する

針を落としてから、アンプのボリュームをゆっくり上げて好みの音量に合わせます。音が歪む場合はフォノイコライザーの設定やカートリッジの出力レベルを確認してみてください。

A面とB面の違いと再生の仕方

レコードには表と裏の2面があり、それぞれ「A面」「B面」と呼ばれます。A面にはアルバムの前半の曲、B面には後半の曲が収録されているのが一般的です。どちらの面かはレーベルに印刷されていますので、再生前に確認しましょう。

A面を最後まで聴き終わったら、針を上げてアームレストに戻し、レコード盤をひっくり返してB面を再生します。この「盤をひっくり返す」という動作はレコードならではの儀式のようなもので、アルバムの前半と後半の間に自然な"間"が生まれます。この間が、音楽をより深く味わうきっかけになることもあるのです。

再生が終わったらやるべきこと

片面の再生が終わると、針はレコード中央のランアウト溝に入り、同じ場所をぐるぐると回り続けます。オート機能のないプレーヤーの場合は、手動で針を上げる必要があります。そのまま放置すると針が無駄にすり減ってしまいますので、演奏が終わったら速やかにキューイングレバーを上げ、トーンアームをアームレストに戻しましょう。

レコードをターンテーブルから外す際も、レーベルと外周だけを持って丁寧に扱います。内袋に入れてからジャケットに収納し、直射日光の当たらない涼しい場所で立てて保管してください。正しい保管方法については、レコードのお手入れ・保管ガイドに詳しくまとめています。

初心者がやりがちな失敗と対処法

レコードに慣れないうちは、誰でも失敗することがあります。あらかじめ知っておけば防げるものばかりですので、以下のポイントを押さえておきましょう。

  • 盤面を素手で触ってしまう: 指紋や皮脂がノイズやカビの原因になります。レーベルと盤の端だけを持つ癖をつけてください。
  • 回転数を間違えたまま再生する: 33回転と45回転を間違えると曲が速すぎたり遅すぎたりします。再生前に必ず確認する習慣をつけましょう。
  • 針を落とすときに手が滑る: キューイングレバーを使わずに手で直接針を下ろすと、盤面を傷つけるリスクがあります。必ずレバーを使いましょう。
  • 再生中にターンテーブルを揺らす: 振動は針飛びの原因になります。ターンテーブルは安定した台の上に設置し、再生中はなるべく触れないようにしてください。
  • 演奏後に針を上げ忘れる: ランアウト溝で針が回り続けると針先の摩耗が進みます。曲が終わったらすぐにアームを戻しましょう。

これらの失敗を避けるだけで、レコードと針を長持ちさせることができます。

レコードが持つアナログならではの魅力

ここまで手順が多いと面倒に感じるかもしれません。しかし、レコードを聴くというこの一連の動作そのものが、音楽と丁寧に向き合う時間をつくってくれます。ジャケットを手に取り、針を落とし、スピーカーから流れる音に耳を傾ける。その体験は、ストリーミングで気軽に再生するのとはまったく異なる豊かさを持っています。

アナログレコードの音がデジタルとどう違うのかについては、なぜレコードの音は違って聴こえるのかというコラムで掘り下げていますので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

まとめ

  • レコードの再生にはターンテーブル、カートリッジ(針)、フォノイコライザー、アンプ、スピーカーが必要
  • 再生手順は「電源を入れる → 盤を置く → 回転数を合わせる → 針を落とす → 音量を調整する」の5ステップ
  • レコードにはA面とB面があり、片面が終わったら盤をひっくり返して続きを聴く
  • 演奏が終わったら速やかに針を上げ、レコードは内袋に入れて立てて保管する
  • 盤面を素手で触らない、回転数を確認する、キューイングレバーを使うなど基本を守れば失敗は防げる

用語集では、本記事で登場した専門用語の詳しい解説もご覧いただけます。


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