レコードを落としたけど大丈夫?盤のダメージ確認方法と正しい対処法¶
レコードを落としたとき、多くの場合は大丈夫ですが、落とし方や床の材質によっては割れや欠けが生じることがあります。まずは落ち着いて、正しい手順でダメージを確認しましょう。
大切なレコードを手から滑らせてしまった瞬間、心臓が止まるような思いをした経験はありませんか。レコードはビニール素材(塩化ビニル)でできているため、CDやガラス製品のように簡単には割れません。しかし、条件によってはヒビや欠け、反りなどのダメージが発生することもあります。この記事では、レコードを落としてしまったときにまず行うべきダメージの確認方法から、状況ごとの判断基準、そして今後の予防策までを順を追ってご紹介します。
レコードを落としたときにまず行う目視チェック¶
レコードを落としたら、まずは目視でダメージの有無を確認します。以下のポイントを順番にチェックしてください。
外周部の確認 --- レコードの外周(エッジ)は最も衝撃を受けやすい部分です。欠けやヒビがないか、盤を回しながら全周を確認しましょう。指先で縁をなぞると、目では見えにくい小さな欠けも見つけやすくなります。
盤面のキズ・ヒビの確認 --- 盤面を光にかざして、新しいキズやヒビが入っていないかを確認します。蛍光灯の下で盤を傾けると、溝に対して横方向に走るキズが見えやすくなります。レコードの溝は同心円状に刻まれているため、それと交差するように走る線があれば落下によるキズの可能性が高いです。
反り(ワープ)の確認 --- 盤を平らな面に置いて、反りがないかを確認します。もともと多少の反りがあるレコードもありますが、落下前になかった反りが発生していないか、注意深く観察してください。レコードのお手入れガイドでも解説していますが、反りは再生時の音質劣化やレコード針への負担につながります。
レーベル面の確認 --- 中心部のレーベル(紙の部分)がめくれたり、破れたりしていないかも確認しましょう。レーベル面のダメージは音質には影響しませんが、コレクションとしての価値に関わります。
落とした状況別のダメージリスク¶
レコードの落下によるダメージの程度は、落とした高さや床の材質、落ち方によって大きく異なります。それぞれのケースを見ていきましょう。
カーペット・畳に落とした場合¶
柔らかい床面への落下は、最もダメージが少ないケースです。腰の高さ程度から落とした場合でも、カーペットや畳がクッションの役割を果たすため、割れや欠けが生じることはほとんどありません。念のため外周部にキズがないかを確認すれば、多くの場合は問題なく再生できます。
フローリング・タイルなど硬い床に落とした場合¶
硬い床面への落下は注意が必要です。盤面が平らに落ちた場合はダメージが分散されるため、大きな問題にならないことが多いです。ただし、斜めに落ちて角が当たったり、エッジから落下した場合は、外周部の欠けやヒビが発生する可能性があります。
エッジから落下した場合¶
レコードがエッジ(外周の縁)から着地した場合は、最も深刻なダメージが起こりやすいケースです。特にコンクリートやタイルなどの硬い床面にエッジから落ちると、欠けやヒビが入る可能性が高くなります。また、エッジの衝撃が盤全体に伝わって、微細なヒビや反りにつながることもあります。
高所からの落下¶
棚の上段など、1メートル以上の高さからの落下は、床の材質にかかわらず注意が必要です。高さがあるほど衝撃が大きくなるため、割れや深いキズが入るリスクが高まります。レコード棚の配置を工夫して、大切な盤は取り出しやすい位置に保管することをおすすめします。
テスト再生で確認する手順¶
目視チェックで問題がなさそうに見えても、実際に再生してみないとわからないダメージもあります。針の選び方と交換方法を参考に、レコード針が正常な状態であることを確認した上で、以下の手順でテスト再生を行いましょう。
- ターンテーブルに盤を載せる前に、もう一度盤面をクリーニングする。 落下時に付着したホコリや微細な破片が溝に入っていると、針を傷める原因になります。
- 音量を控えめにして、A面の冒頭から再生を始める。 いきなり大音量で再生すると、異常なノイズがスピーカーを傷めるおそれがあります。
- 異常なノイズやスキップ(音飛び)がないかを聴き取る。 落下によるキズがある場合、特定の箇所で「パチッ」「プチッ」というノイズや、針が同じ溝を繰り返すスキップが発生することがあります。
- B面も同様に確認する。 落下の衝撃は盤全体に及ぶ可能性があるため、両面とも確認することが大切です。
テスト再生の結果、特定の箇所で繰り返しスキップが発生する場合は、その部分の溝に深いキズや変形が生じている可能性があります。
まだ再生できる場合と買い替えが必要な場合¶
落下後のレコードが「まだ聴ける」のか「もう使えない」のか、判断に迷うこともあるでしょう。中古レコードの選び方ガイドで解説しているグレーディングの考え方を応用すると、状態を客観的に評価できます。
再生に問題がないケース:
- 目視で新しいキズが確認できない
- テスト再生で異常なノイズやスキップが発生しない
- 外周部に欠けやヒビがない
- 反りが発生していない
注意が必要なケース:
- 軽微なキズはあるが、再生時のノイズは許容範囲内
- 外周部にわずかな欠けがあるが、音溝の部分には達していない
買い替えを検討すべきケース:
- 再生時に特定箇所でスキップが発生する
- 盤にヒビが入っている(再生すると針を傷める可能性がある)
- 大きな欠けがあり、音溝に影響している
- 落下後に明らかな反りが発生している
ヒビが入った盤は、たとえ再生できたとしても使用を控えることをおすすめします。再生中にヒビが広がると、針を傷めるだけでなく、盤が割れて危険な場合もあります。
レコードの落下を防ぐための予防策¶
大切なレコードを守るために、日頃から落下を防ぐ習慣を身につけましょう。レコードはなぜ音が違うのかで触れられているように、アナログの音の温かさは物理的な溝の振動から生まれています。その繊細な溝を守るためにも、取り扱いには十分な注意を払いたいものです。
レコードの持ち方を意識する --- レコードを持つときは、エッジ(外周の縁)とレーベル面(中心部)を両手で支えるように持ちます。盤面に指が触れないようにすることで、指紋によるノイズも防げます。
ジャケットからの出し入れを丁寧に行う --- レコードを落とすタイミングとして意外に多いのが、ジャケットやインナースリーブからの出し入れの瞬間です。焦らず、ゆっくりと出し入れする習慣をつけましょう。
作業スペースを確保する --- ターンテーブル周りに十分なスペースがあると、レコードの出し入れがスムーズになり、落下のリスクが減ります。
保管環境を整える --- レコードは必ず垂直に保管し、斜めに立てかけたり積み重ねたりしないようにしましょう。取り出しやすい保管環境は、落下事故の予防にもつながります。
外出時はしっかり梱包する --- レコードを持ち運ぶ際は、専用のキャリングケースやクッション材を使い、衝撃から守りましょう。
まとめ¶
- レコードを落としたら、まず外周部・盤面・反り・レーベル面を目視で確認する
- カーペットや畳など柔らかい床面への落下であれば、大きなダメージになりにくい
- 硬い床面へのエッジからの落下は欠けやヒビのリスクが高いため、特に注意して確認する
- 目視チェック後はテスト再生を行い、ノイズやスキップがないかを耳で確認する
- 日頃から正しい持ち方と保管方法を意識することで、落下事故を未然に防げる
用語集では、本記事で登場した専門用語の詳しい解説もご覧いただけます。
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