レコード触っていいの?正しい持ち方と扱い方を徹底解説¶
レコードは触っていいの?という疑問への結論は、「触れてよい場所と絶対に触れてはいけない場所がある」です。正しい持ち方を知れば、大切な盤を傷めることなく安心してレコードライフを楽しめます。
レコードの触れてよい場所・触れてはいけない場所¶
まず知っておきたいのが、レコード盤には「触れてよいエリア」と「触れてはいけないエリア」がはっきり分かれているということです。
触れてよい場所:
- エッジ(盤の外周と内周の端): 溝が刻まれていない部分なので、ここを持つのが基本です
- レーベル面(中央の紙ラベル部分): 音楽情報が刻まれていないため、指で触れても音質に影響しません
絶対に触れてはいけない場所:
- 溝(グルーヴ)のある盤面: 音楽が刻まれている部分です。ここに指が触れると、取り返しのつかないダメージにつながることがあります
このルールさえ覚えておけば、「レコードには触れない」と過度に恐れる必要はありません。要は触れる場所を正しく知っておくことが大切なのです。
指紋がレコードにダメージを与える理由¶
では、なぜ溝のある面に触れてはいけないのでしょうか。その理由は、人間の指先に含まれる皮脂(油分)にあります。
皮脂がレコードに与える悪影響:
- ホコリを吸着する: 指紋として残った油分は粘着性があり、空気中のホコリやチリを引き寄せます。溝に入り込んだホコリは通常のブラッシングでは落としにくく、再生するたびにスタイラス(針)が汚れを溝の奥へ押し込んでしまいます
- 音質を劣化させる: 油分やそこに付着したホコリの上をスタイラスが走ると、プチプチというノイズが発生します。本来の音楽信号が正しく読み取れなくなり、高音域の繊細さや音の分離感が失われます
- 溝を化学的に傷める: 皮脂は時間が経つと酸化して固着し、通常のクリーニングでは除去しにくい頑固な汚れになります。長期間放置すると、溝の表面を化学的に変質させてしまう場合もあります
たった一度の不注意で付いた指紋が、お気に入りの一枚の音を永久に変えてしまうこともあるのです。正しい扱い方を身につけて、大切なレコードを守りましょう。
レコードの正しい持ち方のコツ¶
レコードの正しい持ち方はとてもシンプルです。慣れてしまえば無意識にできるようになります。
基本の持ち方:
- 片方の手のひらでレーベル面(中央のラベル部分)を支える
- もう片方の手でエッジ(盤の外周部分)を軽くつまむように持つ
もうひとつの持ち方:
- 両手でエッジだけを持つ方法もあります。盤の外周を両手の指先で挟むように支えます
どちらの場合でも、指先が盤面の溝部分に触れないように意識してください。最初のうちは少し不自然に感じるかもしれませんが、レコード好きにとっては自然と身につく所作のひとつです。
なお、手を清潔にしておくことも大切です。食事の後や手に汗をかいている状態では、エッジやレーベル面にも余計な油分が移りやすくなります。レコードに触れる前に手を洗い、しっかり乾かしておく習慣をつけましょう。
スリーブからレコードを安全に取り出す方法¶
レコードを傷めてしまう場面として意外に多いのが、スリーブ(内袋)からの出し入れの瞬間です。雑に引き抜くと盤面がスリーブの縁と擦れて、細かなスクラッチ傷がついてしまいます。
安全な取り出し手順:
- ジャケットの開口部を上に向けて持つ
- ジャケットを軽く開き、インナースリーブごとレコードをゆっくり引き出す
- インナースリーブの開口部からレコード盤を出す際は、スリーブの口を広げ、盤が自然に滑り出るように傾ける
- 滑り出てきた盤のエッジとレーベル面を持って取り出す
やってはいけない取り出し方:
- インナースリーブに指を突っ込んで盤面を直接つかむ
- ジャケットを逆さにして盤を落とすように出す
- 盤を無理に引き抜く(スリーブとの摩擦で静電気が発生し、ホコリを呼び寄せます)
インナースリーブの素材選びも大切です。詳しくはレコードのお手入れ方法の記事で保管に適したスリーブの種類を紹介しています。
ターンテーブルにレコードを正しくセットする方法¶
スリーブから取り出したレコードをターンテーブルに置く際にも、気をつけたいポイントがあります。
セットの手順:
- ターンテーブルのプラッターが停止していることを確認する
- レコードのエッジとレーベル面だけを持ち、スピンドル(中央の軸)にレコードの穴を合わせる
- 盤を水平に保ちながら、静かにプラッターの上に下ろす
- レコードがプラッターの中央にしっかり収まっていることを確認する
- 再生を始める前に、カーボンファイバーブラシで盤面のホコリを軽く払う
このとき、盤面に指が触れないように注意するのはもちろん、レコードを落とさないようにしっかりとホールドすることも大切です。焦らず丁寧に扱えば、それ自体がレコードを楽しむ時間の一部になります。
針を落とす際のアームの扱い方やスタイラスの選び方については、別の記事で詳しく解説していますので、あわせて参考にしてください。
中古レコードを手に取るときの注意点¶
レコードショップや中古レコードの購入の場面では、状態を確認するために盤面を見る機会があります。このときも正しい持ち方を忘れないようにしましょう。
- 盤面を光にかざして傷や汚れをチェックする際は、必ずエッジとレーベル面だけを持つ
- 店頭で他のお客さんのレコードに不用意に触れない
- 状態確認が終わったら、すぐにスリーブに戻す
レコードを大切に扱う姿勢は、レコード文化を楽しむうえでの基本的なマナーでもあります。お店のスタッフや他のレコードファンからの信頼にもつながりますので、ぜひ意識してみてください。
アナログレコードの音の魅力を守るために¶
レコードの溝には、デジタル音源とは異なるアナログならではの豊かな情報が詰まっています。その魅力についてはなぜレコードの音は違うのかで詳しく触れていますが、正しい取り扱いがあってこそ、その本来の音を楽しめるのです。
レコードの扱い方は、いわばレコードとの「対話」のようなものです。手に取り、スリーブから出し、ターンテーブルにのせ、針を落とす。そのひとつひとつの動作に気を配ることで、音楽を聴く体験そのものがより豊かになります。デジタルでは味わえない、この手触りのある音楽体験こそがアナログレコードの醍醐味ではないでしょうか。
まとめ¶
- レコードはエッジ(外周)とレーベル面(中央ラベル)だけを持ち、溝のある盤面には絶対に触れないのが鉄則です
- 指紋の皮脂はホコリを吸着し、音質劣化や溝の損傷を引き起こすため、溝への接触は一度でも避けましょう
- スリーブからの出し入れは丁寧に行い、盤面とスリーブの摩擦による傷や静電気を防ぎましょう
- ターンテーブルへのセットは焦らず水平に置き、再生前にブラッシングでホコリを取り除きましょう
- 正しい扱い方を身につけることで、レコード本来の豊かなサウンドを何十年でも楽しむことができます
レコードを丁寧に扱うことは、音楽への敬意そのものです。正しい持ち方をマスターして、安心してアナログレコードの世界を楽しんでください。用語集では、本記事で登場した専門用語の詳しい解説もご覧いただけます。
Digital & Analog in Harmony.
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