Juju レビュー - スージー・アンド・ザ・バンシーズの傑作ポストパンクアルバム¶
Siouxsie and the Banshees の4thアルバム『Juju』は、ポストパンクの完成形とも言える傑作です。1981年リリースの本作は、ダークで呪術的なサウンドがレコードの溝に刻まれています。
アルバムの概要¶
『Juju』は、スージー・アンド・ザ・バンシーズがPolydorレーベルから1981年6月にリリースした4枚目のスタジオアルバムです。前作『Kaleidoscope』で見せた実験的なアプローチをさらに深化させ、バンドは原始的でありながら洗練されたサウンドを確立しました。
ジョン・マッケイのギターとブッジのドラムが生み出す緊張感あふれるリズム、そしてスティーヴン・セヴェリンのベースラインが織りなす暗黒の世界観は、ポストパンクというジャンルを定義する上で欠かせない作品となっています。プロデューサーにはバンド自身とナイジェル・グレイを迎え、よりダイレクトで生々しいサウンドを追求しました。
収録曲の聴きどころ¶
Spellbound¶
アルバムのオープニングを飾る「Spellbound」は、シングルカットもされた代表曲です。部族的なドラムビートとスージーのシャーマニックなボーカルが絡み合い、まさに「呪縛」という曲名にふさわしい催眠効果を持っています。レコードの針を落とした瞬間、リスナーは異世界へと引き込まれるでしょう。
Arabian Knights¶
中東風のエキゾチックなメロディーラインが印象的な「Arabian Knights」は、バンドの実験性と商業性が見事に融合した楽曲です。ジョン・マッケイのギターワークは鋭利でありながらメロディアスで、スージーのボーカルと完璧なコントラストを描いています。
Halloween¶
アルバム中最も不気味で荘厳な雰囲気を持つ「Halloween」は、7分近い大作です。徐々に高まる緊張感、呪術的なリズム、そして幻想的なサウンドスケープは、ヘッドフォンで聴くと鳥肌が立つほどの迫力があります。レコードのA面ラストを飾るにふさわしい重厚な楽曲です。
Monitor¶
B面冒頭の「Monitor」は、パンク的な疾走感とポストパンクの実験性が同居する楽曲です。スピーディーなテンポとスージーの鋭いボーカルが特徴で、ライブでも人気の高いナンバーとなっています。ブッジのドラムワークが際立つ一曲です。
Voodoo Dolly¶
タイトルからも想像できる通り、呪術的でダークな魅力に満ちた「Voodoo Dolly」は、アルバム全体のテーマを象徴する楽曲と言えるでしょう。ゴシックな美意識とプリミティブなエネルギーが融合し、バンドの独自性を確立しています。
オリジナル盤の特徴と見分け方¶
オリジナルのUK盤は、Polydorレーベル(POLD 5044)からリリースされました。マトリクス番号やインナースリーブの印刷品質で初版を見分けることができます。ラベルにはPolydorのロゴがしっかりと印刷されており、紙質も厚手で高品質です。
ジャケットはヒプノシスによるアートワークで、スージーたち4人のメンバーが呪術的な雰囲気の中で撮影されています。初回プレスには歌詞カードが封入されており、コレクターズアイテムとして価値があります。レコード収集ガイドも参考にしながら、信頼できるショップで探すことをおすすめします。
状態の良いオリジナル盤は音質も素晴らしく、マスタリングの違いが如実に現れます。特にA面の「Spellbound」から「Halloween」への流れは、オリジナル盤ならではのダイナミックレンジが楽しめます。
レコードで聴く魅力¶
『Juju』は、CDやストリーミングよりもアナログレコードで聴くことで真価を発揮するアルバムです。ブッジのドラムの生々しい打音、ジョン・マッケイのギターの鋭利なエッジ、スティーヴン・セヴェリンのベースの重低音——これらすべてがレコードの物理的な溝から立ち上がってくる感覚は、デジタルでは決して味わえません。
特に「Halloween」のような長尺曲では、レコードならではの温かみと空気感が楽曲の持つ呪術的な雰囲気をさらに増幅させます。針の音すらも儀式の一部となり、リスナーを1981年のロンドンへとタイムスリップさせてくれます。
スージー・アンド・ザ・バンシーズの他のアルバムと聴き比べるのも楽しみの一つです。バンドの進化を追体験することで、『Juju』が持つ特別な位置づけがより明確になるでしょう。
まとめ¶
『Juju』は、ポストパンクというジャンルの可能性を極限まで押し広げた傑作です。ダークでありながら美しく、プリミティブでありながら洗練されたサウンドは、40年以上経った今でも色褪せることがありません。
レコードコレクションに加えるべき必聴の一枚であり、特にゴシックロックやポストパンクに興味がある方には絶対に外せない作品です。オリジナル盤を手に入れて、針を落とす瞬間の緊張感を味わってみてください。きっと、このアルバムが持つ魔力の虜になるはずです。
用語集でポストパンクやゴシックロックについてさらに深く学ぶことで、本作への理解もより深まるでしょう。レコードショップで『Juju』を見かけたら、ぜひ手に取ってみてください。
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